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NY市観光局、「バリュー」で多様性をアピール、アニバーサリーもフックに

  • 2009年6月17日
 ニューヨーク市観光局(NYC)は今年、「バリュー」をマーケティングのキーワードに、ニューヨークの魅力を提供していく。先ごろ開催したセミナーとワークショップで、来日したNYCアジア太平洋地区統括アソシエート・バイス・プレジデントのヒーリー・松田麻紀子氏は、ホテルやレストランなどから値打ち感あるさまざまなオファーがあることを紹介。「これまでと同額でもっといい体験ができる」とし、料金的に手が届かなかった部分やアップグレードの提供で幅広い体験が可能となることから、旅行者にとっての新しい観光素材やこれまでできなかった体験を提案し、ニューヨークの多様性をアピールしていきたい考え。ヒーリー氏は「現在の旅行者の興味、目的は多様化している。それぞれにどれだけ食い込んでいけるかが課題。ニューヨークは多様性に富んでおり、どんな人にも対応できることを一つ一つアプローチしたい」と話した。旅行会社にはEメールによるニュースレターで、商品開発やセールスにつながる値打ち感あるオファーや新しいアップデート情報を、日本語で提供していく。

 また、今年はヘンリー・ハドソン「発見」400周年という大々的なアニバーサリーの年であり、多数のイベントが企画されていることから、アニバーサリーをフックにしたアプローチも展開する予定。10月にはニューヨークフィルハーモニックとニューヨーク・シティ・バレエがそれぞれ来日公演を予定しており、ニューヨークのアートとカルチャーを打ち出すクロスプロモーションも計画しているという。

 このほか、セミナーでは新型インフルエンザについて、ヒーリー氏は「ニューヨークは大丈夫」と強調。今年はどのマーケットも厳しい状況にあり、いかに早くリカバリーするかが今後の課題とした。セミナーの参加者には全体が停滞している中、「人よりどうやって一歩先んじるかがポイント」とし、「来日した現地関係者から最新情報を入手し、商品開発や販促にいかして、先に進んでほしい」とアピール。また、世界的な経済悪化により、ホテルの開発スケジュールに多少の変更はあるものの、概ねそのまま進行しており、今年度は39軒、約7700室以上がオープンする予定だ。

 なお、2008年の日本人訪問者数は25万7000人で、プラス推移した前年の28万3000人よりは減少となった。


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