シンガポールのフラトン・ホテル、レジャー需要獲得に本腰−値下がり武器に

  • 2009年4月23日
 シンガポールの「ザ・フラトン・ホテル」は、日本市場でレジャー需要の獲得を本格化する。4月21日にはジェネラルマネージャーのルイス・サイラー氏らが来日し、旅行会社へのセールスコールを実施したほか記者懇談会を開催した。従来、同ホテルはビジネス需要での宿泊が全体の99%を占めていたが、昨年末からの景気後退で需要が大きく減少。厳しい環境ではあるものの、宿泊料金は値下がりしており、高級ホテルに割安な料金で泊まれることも武器にしてレジャー需要の取り込みをめざす考えだ。

 景気後退の影響として、客室稼働率は前年上半期が94%であったところが、現在は50%前後で推移。日本人の宿泊数のシェアは、2年ほど前までは業務渡航を中心に全宿泊数の30%以上を占めていたが、現在は4%程度に落ち込んでいるという。客室の平均単価も以前は450米ドル程度であったが、現在は300米ドルを切っている。こうした状況だが、宿泊料金の値下がりはレジャー需要のカギを握る旅行会社からも歓迎されているといい、伸びに期待を示す。

 すでに現地オペレーターや旅行会社にレジャー利用での営業を開始しており、反応は良いという。2010年までに「マリーナ・ベイ・サンズ」や「リゾートワールド・アット・セントーサ」の完成が予定され、レジャー需要の伸びが予想されることから、これも活用したい考えだ。旅行業界向けの優待料金の提供も予定している。今後の目標としては、日本人の宿泊数のシェア10%を掲げる。このうち、レジャー需要はFITを中心に8%まで高めたい考えだ。