ウィンザー・ホテル、08年度の総売上が過去最高に−09年度は原点回帰

  • 2009年4月10日
 ザ・ウィンザー・ホテル洞爺リゾート&スパの2008年度総売上高は56億円となり、昨年を2億円上回って過去最高を達成した。昨年7月の北海道洞爺湖サミット開催による洞爺湖の知名度向上と、ターゲットである首都圏の富裕層のリピーター化が進んでいることが要因という。景気後退の影響で「11月後半以降一気にダウンした。ねらいよりも30%程度低くなった」(ザ・ウィンザー・ホテルズ・インターナショナル代表取締役の窪山哲雄氏は)ものの、顧客層への経済状況の影響は深刻でなく、外国人利用者も国籍が多様化するなどプラスの要因も多いという。

 1人あたりの消費額は、前年から約5000円増加し約5万5000円に増加。高額スイートの人気上昇などにより、平均客室単価も増加している。09年度の動向としては、4月の宿泊者数は前年を割っているものの、ゴールデンウィークは堅調に推移しているという。需要の伸び悩みに対しては、「顧客層はぶれておらず、割引志向ではなく付加価値志向を進める」方針だ。

 このほか、09年度の方針について窪山氏は、経営環境は厳しくなるとの見通しを示し、基本への立ち返りを示唆。特に、ホテル周辺に広がる洞爺の自然を前面に打ち出していくほか、得意とする料飲部門にさらに磨きをかける計画だ。このうち、料飲部門については、「これがなければ(特徴が)ぼける。なんとしてでも先端を走る」と強い意志を表明。特に、「日本のホテルやレストランは、衛生管理、サービスや品質のマネジメントが遅れている」との認識から、こうした点「不況だからこそ磨き上げたい」と語った。