中国・桂林、1.5兆円規模の都市拡張を計画、日本には少数民族の文化を推奨

  • 2009年4月8日
 中国から桂林市人民政府代表団の来日にあわせ、中国桂林市旅遊局が東京で観光説明会を開催した。桂林市長の李志剛氏は、「1000億元(約1兆4600億円)を投資し、新しい桂林を作るプロジェクトをしている」と新しい都市拡張計画を発表。現在の都市エリアを西部方面へ拡張し、「レジャー」「エンターテイメント」「スポーツ」「ショッピング」「リゾート」が楽しめる多目的な場所にするプロジェクトで、昨年からの5ヶ年計画で実施するものだ。完成後は観光局などを含む政府機関も移転する予定。

 桂林は景勝地として名高い「離江」をはじめ、鍾乳洞、棚田など、山水画のような美しい自然景観や、少数民族が多い地ならではの独自の文化が有名な観光地。これを活かし、桂林市旅游局では「自然を楽しむ旅」「歴史・文化に触れる旅」「少数民族の文化に触れる旅」「エコの旅」「アウトドアの旅」「レジャーの旅」の6つのテーマを設定。同旅遊局副局長の張志紅氏は「なかでも日本市場に向けにポイントとしているのは『少数民族の文化に触れる観光』」とすすめる。桂林には10数の少数民族がおり、龍脊棚田のような美しい風景や、歴史的、伝統的な独特の文化が魅力で、都市部から観光地までの交通も良好であることから、これを目的とするFITの旅行者も多いという。

 日本人観光客は全外国人旅行者の中で最も多く、2007年には10万人を突破したが、08年はやや減少し、約9万人となっている。中国国家観光局(東京)首席代表の范巨氏によると、以前は北京・上海・桂林・広州のルートが一般的だったが、現在は需要の多様化にともない、上海や広州、香港と組み合わせが多く、「安近短傾向にあわせた商品造成になっているが、旅の素晴らしさを消してしまうのでは」と懸念を示した。今後も直行便のない桂林へのインフラを整備し、旅行者の増加をはかる考えだ。