観光活性化フォーラム
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日本人出国者数、2月は1%減、下げ幅が大きく改善−訪日外客数は41%減

  • 2009年3月26日
 日本政府観光局(JNTO)によると、2009年2月の日本人出国者数(推計値)は、前年比1.0%減の135万9000人となった。2007年5月以降22ヶ月連続の減少ではあるものの、燃油サーチャージの下落や円高の影響を受けて下げ幅が大幅に縮小した。特に、韓国など近距離のデスティネーションが牽引したようだ。

 一方、訪日外客数は主要12市場すべてで前年割れし、41.3%減の40万8800人となった。2008年8月以降7ヶ月連続のマイナス成長で、特に11月以降は2ケタの減少が続いている。主な要因について、JNTOでは、世界的な景気後退や円高傾向、航空路線の減少などを列挙。また、アジアの市場で旧正月休暇の該当月が今年は1月、昨年は2月であったため、旅行需要の発生する時期にずれが生じたことも指摘した。

 観光庁長官の本保芳明氏は3月25日の会見で、「これまでは緊急事態と言っていたが、今は非常事態」と危機感を表明。09年度は後半の需要回復を見込んだ事業計画を立てているが、「極端に言えば明日の2人より今日の1人」であるとし、こうしたニーズに応えられるよう事業を前倒しして実施することを検討し始めたと説明した。ただし、「後半の取り組みが薄くなってしまうリスクもある」ことから、円高が緩和傾向にあることの影響なども含めて慎重に検討する考えだ。