街道を行く旅(3)鯨街道(ニュージーランド)
キャッチフレーズは「ワインとアート」
例えば「シルクロード」は、世界でもっとも知られた歴史的な街道のひとつだが、そうした経緯や背景があまりない「街道」も世界には多数存在している。昨日ちょっと触れたカナダの「メープル街道」などがそうだ。観光プロモーションのために作られた街道がほとんどで、こうした街道はテーマや目的がはっきりしており、宿泊施設などの観光インフラが整えられている。観光街道はその国になじみのない人にとって、最も旅行しやすいルートであることが多い。
ニュージーランド政府観光局では、国内各地の特徴が簡単に理解できるよう、「歴史街道」、「太平洋街道」、「温泉街道」、「庭園街道」、「鯨街道」、「翡翠街道」、「アルプス街道」、「ペンギン街道」の全部で8つの街道をつくり、プロモーションをしている。それぞれ建国の歴史や先住民の文化、自然景観や野生動物との触れ合いなどをテーマにしたルートで、興味あるテーマやアクティビティに照らして、どの「街道」が面白そうかが簡単に分かるので、旅行者にとっては興味がそそられるものであり、とても便利。また旅行会社にとってもツアーを造成しやすい。今回、紹介する「鯨街道」もそのひとつ。
南島最大の都市、クライストチャーチを出発し、東海岸に沿って南島北端近くのアベル・タスマン国立公園に至るこの道。キャッチフレーズは「ワインとアート」だ。「クジラなのになぜ?」と思うかもしれないが、このルート上にはニュージーランド最大のワイン生産地であるマールボロ地区と、世界中から多くのアーティストが集まるおしゃれな町ネルソンがある。ガーデンシティと呼ばれるクライストチャーチ、美しい海でのシーカヤックとハイキングが楽しいアベル・タスマン国立公園などもあり、バラエティに富んだテーマと風景で常に人気のあるルートとなっている。
年中ホエールウォッチングが可能
街道の名の「鯨」は、街道上にある町カイコウラで、一年を通じてホエールウォッチングが楽しめることから付けられた。クジラは餌を求め、子育てをするために回遊することが多いので、ホエールウォッチングが楽しめる季節は限定されるのが普通。ところがカイコウラ沖の海底の地形が特殊なために餌が豊富で、近海にとどまっているマッコウクジラがたくさんいる。沖に出ればいつでもクジラの姿が見られるのはそのためだ。季節により、違う種類のクジラが見られることもあり、クジラ好きには人気のポイント。
カイコウラから北へ行くと、周囲にブドウ畑が広がってくる。峠道をいくつか越え、やがてワイン生産の中心地であるブレナムに到着すると、周りは見渡すばかりのブドウ畑。ワイナリー併設のレストランの中には、国内トップ水準のものもある。グルメを楽しむ旅ならぜひ、この周辺で時間をとってみたい。さらに道なりに進むとやがて到着するネルソンには、ガラス工芸、陶芸、そのほか様々な工房があり、有名無名にかかわらず多くのアーティストが活動をしている。
クライストチャーチから島北端の町まで鉄道が通っているが、途中、ホエールウォッチングのツアーなどに参加することを考えると、レンタカーの方が便利だ。道も単純で都市部以外で迷うこともない。ただしワインを飲んだら、運転はしないこと。日本との時差がほとんどないのも、移動型の旅行にはうれしいポイントだ。
▽鯨街道について(ニュージーランド政府観光局)
http://www.newzealand.com/travel/ja/trade/training/training-modules/modules/htsnz---japan/section-three/eight-kaido-whale-&-greenstone.cfm
▽今週の特集
◆街道を行く旅(2)リドー・ヘリテージ・ルート(カナダ)(2009/03/24)
◆街道を行く旅(1)銀の道(スペイン)(2009/03/23)

ニュージーランド政府観光局では、国内各地の特徴が簡単に理解できるよう、「歴史街道」、「太平洋街道」、「温泉街道」、「庭園街道」、「鯨街道」、「翡翠街道」、「アルプス街道」、「ペンギン街道」の全部で8つの街道をつくり、プロモーションをしている。それぞれ建国の歴史や先住民の文化、自然景観や野生動物との触れ合いなどをテーマにしたルートで、興味あるテーマやアクティビティに照らして、どの「街道」が面白そうかが簡単に分かるので、旅行者にとっては興味がそそられるものであり、とても便利。また旅行会社にとってもツアーを造成しやすい。今回、紹介する「鯨街道」もそのひとつ。

年中ホエールウォッチングが可能

カイコウラから北へ行くと、周囲にブドウ畑が広がってくる。峠道をいくつか越え、やがてワイン生産の中心地であるブレナムに到着すると、周りは見渡すばかりのブドウ畑。ワイナリー併設のレストランの中には、国内トップ水準のものもある。グルメを楽しむ旅ならぜひ、この周辺で時間をとってみたい。さらに道なりに進むとやがて到着するネルソンには、ガラス工芸、陶芸、そのほか様々な工房があり、有名無名にかかわらず多くのアーティストが活動をしている。
クライストチャーチから島北端の町まで鉄道が通っているが、途中、ホエールウォッチングのツアーなどに参加することを考えると、レンタカーの方が便利だ。道も単純で都市部以外で迷うこともない。ただしワインを飲んだら、運転はしないこと。日本との時差がほとんどないのも、移動型の旅行にはうれしいポイントだ。
▽鯨街道について(ニュージーランド政府観光局)
http://www.newzealand.com/travel/ja/trade/training/training-modules/modules/htsnz---japan/section-three/eight-kaido-whale-&-greenstone.cfm
▽今週の特集
◆街道を行く旅(2)リドー・ヘリテージ・ルート(カナダ)(2009/03/24)
◆街道を行く旅(1)銀の道(スペイン)(2009/03/23)