TCSA、処遇改善の取り組み継続−添乗員の確保・教育・提供で旅行業に寄与

  • 2009年3月19日
 日本添乗サービス協会(TCSA)は3月18日、第23回通常総会を開催した。TCSA会長の山田隆英氏は総会後の懇親会で、厳しい環境に触れつつ「観光は長期的には伸びる分野」と語り、「添乗員は旅行にとって欠かせない要因であり、添乗員を確保、育成、提供することで寄与していきたい」と強調。2009年度の事業運営計画では、「業界倫理の確立及び処遇、環境改善のための活動」と「添乗を専門職とする人達のための一連のキャリアアッププランによる人材育成事業」の2点を柱に決定。国内宿泊旅行の添乗での時間管理や、旅行会社の「お客様アンケート」に対する改善要求、「eラーニング」による添乗員司法社の潜在的需要掘り起こしなどに取り組む。また、「派遣切り」に世間の注目が集まる中、派遣添乗員への雇用保険や社会保険の付保など社会保障制度のあり方にも取り組む方針だ。

 時間管理は08年度中に、大手を中心に国内の日帰り添乗や対開業時などで開始されており、「十分ではないが、処遇は改善されてきている」(専務理事の三橋滋子氏)状態。JTBグループは宿泊をともなう国内旅行でも時間管理を導入する動きを見せており、他社への波及に期待する。海外については、「行政は海外も可能と指導を始めているものの、まだまだ時間がかかる」との見通しだ。

 アンケートについては、ホテルなどと同じように選択式で添乗員の満足度を聞くのではなく、「(自由記入式など)より本質的な質問にすべきでは」との問題意識のもと、提言もしていきたい考え。すでに添乗員への意識調査を実施しており、その結果をふまえて提言につなげる。また、08年度には厚生労働省からの受託事業で、添乗員の優れている点や改善すべき点を確認できるチェックシートを作成。これを利用することで、派遣元の企業も旅行会社のアンケートに頼らずに添乗員の評価が可能になるため、活用を促進していく。

 このほか、総会では09年度と10年度の役員体制を決定した。詳細は下記を参照のこと。


▽TCSA、09年度・10年度の役員体制
(○印が新任)
会長/山田隆英氏/元海上保安庁長官・日本海外ツアーオペレーター協会理事
専務理事/三橋滋子氏/TEI代表取締役社長・日本旅行業協会理事・全国旅行業協会理事
理事/古木康太郎氏/グローバルユースビューロー代表取締役会長・日本旅行業協会副会長
理事/木村茂男氏/全国旅行業協会副会長(会長代行)
理事/中西康夫氏/フォーラムジャパン代表取締役社長
理事/清水哲朗氏/旅行綜研代表取締役社長
理事/竹内一修氏/エコールインターナショナル代表取締役社長
理事○/安達要吉氏/日本海外ツアーオペレーター協会会長
理事○/北島文幸氏/JTBワールドバケーションズ代表取締役社長
理事○/馬場義和氏/ツーリストエキスパーツ代表取締役社長
理事○/西尾隆氏/阪急トラベルサポート代表取締役社長(4月1日就任予定)
理事○/番場実氏/TCSA理事(4月1日事務局長就任予定)

監事/前沢永壽氏/マエサワ税理士法人 理事長 税理士
監事/藤渕平和氏/エスティーエス代表取締役社長