花で旅する世界(1)南アフリカ ナマクアランド

荒野を彩る「神々の花園」

地球上にある各大陸の西岸には、偏西風の影響によりできた西岸砂漠が広がっているが、なかでも南緯30度付近に位置する3つの大陸の西岸砂漠は、3大ワイルドフラワーの土地として知られている。それがチリのアタカマ砂漠とオーストラリアの西オーストラリア州、そして南アフリカ共和国のナマクアランドだ。いずれも乾燥した大地で、ある時期一斉に咲き乱れる花が見られることが共通している。
ナマクアランドではおよそ3000種の植物が見られ、その多くが固有種だ。植物学者のみならず、花好きならば魅力を感じずにはいられない。花の時期は8月から9月にかけての数週間から、長くても2ヶ月程度。多くの種類の花のうち、大地をオレンジ色に染めるデイジーが有名だ。1週間ほどの短い間だが、広大な地を一面に咲き誇る。場所によって開花時期に多少のずれがあるので、移動すれば花盛りの場所に遭遇する可能性は高くなる。花は気温に敏感で、摂氏17度以下になると閉じてしまうという。天気のいい日の午前10時から午後4時くらいがベストの時間帯だ。

ナマクアランドの花鑑賞について、「現地の日差しは非常に強いので、帽子と日焼け止めの持参を」と、南アフリカ観光局ではアドバイスしている。また花の時期、多くのホテルは旅行会社におさえられてしまうので、個人旅行者の手配は、早めのホテルの確保が必要だ。その際は、規模の大きい都市で探すほうが見つけやすいとのこと。
日本の3倍以上もの面積をもつ南アフリカでは、花以外の楽しみも多い。北ケープ州のほかの見どころには、世界第6位のスケールをもつオーグラビースの滝や、サファリができるリヒテルシャルト国立公園などがある。また西ケープ州のランバーツ・ベイは、伊勢エビがおいしいことで有名な港町。同じく西ケープ州のクランウィリアム一帯はルイボスティーの世界唯一の産地で、畑や工場の見学が可能だ。
▽南アフリカ観光局
http://www2.southafrica.net/index.cfm?CountryProfileID=8