甘くほろ苦いチョコレートの旅(4)スイス、レダラッハ

  • 2009年2月13日
 世界有数のチョコレート生産国として知られるスイス。スーパーマーケットを訪れると、棚にずらりと並んだチョコレートの種類の豊富さに驚くことだろう。スイス国民1人あたりのチョコレート消費量は多く、2001年は世界トップ、2004年はドイツに次いで世界第2位の10.8キログラム。これはなんと、日本人の2.2キログラムの約5倍にものぼる。リンツやファバラジーなど、世界的に有名なブランドも多い。





 そんなスイスのブランドの中でも、今回はレダラッハを紹介しよう。ミルクや生クリーム、バターなど、スイスアルプスで得られる最高品質の乳製品を使い、まろやかな味に仕上げたレダラッハのチョコレートは、スイスらしい素敵なデザインも魅力。とくに「フェアリーマウス」や「スマイリースネイル」といったキャラクターチョコは、見た目も愛らしく人気が高い。タレントの神田うのさんのお気に入りのチョコレートとして、テレビ番組で紹介されたことでも知られている。

 レダラッハは、スイス東部のグラールス州にある小さな町、エネンダに住むルドルフ・レダラッハが1962年に創業した。パン職人の家に生まれ、パンづくりの修業を積んだルドルフだが、ショコラティエになることを決意。以来、若くしてヨーロッパの菓子コンクールで賞を受けるなどの業績を重ねた。





 ルドルフが試行錯誤の末に開発したものに、空洞のボール状チョコレート(カプセル)がある。この中にガナッシュなどを詰め、外側にチョコレートを塗り込めたりまぶしたりすることで作業工程が短縮され、それまで素手で丸めていたトリュフの不衛生さを除くことができるようになった。彼は同業者に無償でこの技術を伝え、粒チョコレートの製造工程を革新的に変えることになったという。

 レダラッハはスイス19の都市に店舗がある。日本にも店舗があるが、食品衛生法等の規制によって輸入できないものがあるため、やはりスイスの店舗が品揃えは豊富。毎日の販売量が多く、回転がよいため、より新鮮なチョコレートを味わえる可能性が高い。

 さらに、スイス旅行にチョコレートを取り入れるなら、西部の町モントルー発のユニークな「チョコレート列車」がおすすめ。モントルーを列車で出発し、まずグリュイエールのチーズ工場を、次にブロにあるカイエ・ネスレ社のチョコレート工場を訪問するもので、チョコレートの試食や市価より安い値段で買物ができる。鉄道、チーズ、チョコレートと、スイスの魅力が3拍子揃ったチョコレート列車は、旅をより楽しいものにしてくれるに違いない。運行は6月から10月までの月曜日と水曜日で、7月と8月は毎日運行。個人旅行者はもちろん、アトラクションのひとつとして、ツアーに組み込まれることもある。


▽レダラッハ
http://www.laderach.com/

▽ゴールデンパス・サービス チョコレート列車
http://www.mob.ch/GPS/produits/choc1.asp

▽スイス政府観光局
http://www.myswiss.jp


※訂正案内(編集部 2月16日 午後12時30分)
該当箇所:二段落目 商品名
誤:「フェアリースネイル」
 ↓
正:「スマイリースネイル」


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