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モナコ政府観光会議局、MICEに注力−日本市場の潜在需要に期待

  • 2009年2月10日
 モナコ政府観光会議局は2月5日に開催したプレス昼食会で、同政府観光会議局局長のミッシェル・ブキエ氏や駐日モナコ公国大使のアンリ・フィソール氏、モナコ公国経済開発会議所のエリザベス・リテール・モアティ氏はモナコ観光の現状と今後の方針について説明した。ブキエ氏らは、本紙取材に対して日本の潜在需要に期待しながらMICEに注力する姿勢を示した。

 現在、全世界からの訪問者数の内訳はレジャーが71%の25万3000人、MICEが29%の7万2500人。モナコ政府観光会議局では、すでに作成した2009年から2013年までの5ヶ年計画において特にMICEの取り組みを強化する。ブキエ氏は、「MICEに適したデスティネーションであるというイメージが重要」と強調。日本市場では、「MICEにおける日本のシェアは1%。今後伸びるという可能性がある」と語り、潜在的な需要に期待を示した。現在は特に、MICEの中でもインセンティブが伸びており、「モナコならではのユニークな体験を提供できる」ことが強みと分析する。


▽経済危機の影響を受けてもハイレベルな旅行で訴求

 モナコへの全世界からの宿泊数は過去5年間で40%増加している。客室数が23%増加したことに加えて、フランスやイタリアの地中海沿岸地方からの訪問者が増えたことが奏功した。ブキエ氏は、フランス人訪問者数が全体の20%であるのに対し外国人訪問者数は40%であることから、「モナコがグローバルブランドになった」と自信を示す。2008年においては、MICEでの渡航でキャンセルが発生したこともあり伸び率は低下したものの、宿泊数は伸びており、経済不安の影響で旅行者数の減少が懸念される今年も、「同様の成長がなくとも他のデスティネーションと比べて成長できるのではないか」と予想した。

 また、今後は安価で質の高い体験ができることを伝えたいという。ジョエル・ロブションのレストランでも約100ユーロで高級料理が堪能できるなど、「値段が高い旅行ではなくハイレベルな旅行ができる」ことがモナコの魅力であると述べた。このほか、ショルダーシーズンである冬季の観光促進としてスパ体験を打ち出すほか、環境に配慮したツーリズムを推進する。


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