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新「デルタ航空」、ブランド統一は来年1月−首都圏空港拡張後は新路線も

  • 2009年1月16日
 ノースウエスト航空(NW)と統合したデルタ航空(DL)CEOのリチャード・アンダーソン氏がこのほど来日、DLの今後の戦略について説明した。両社が合併に合意した昨年4月以降、燃油価格の下落や金融危機など経営環境が大きく変化したが、アンダーソン氏は、「2009年は厳しい年になる」との見方を示しつつ、「合併の相乗効果(の見通し)は変わらない。むしろこのような環境だからこそ意味があり、効果が出る」と強調した。また、現在は統合に向けた作業中で、両社が従来の社名を使用して営業しているが、2010年1月1日には移行が完了し、新しい「デルタ航空」として出発することを明らかにした。

 09年の見通しについてアンダーソン氏は、「世界の航空業界は8%から10パーセントの売上の減少が見込まれている」と言及。しかし、仮に燃油価格が高水準を維持していた場合、業界全体の利益減少は20パーセントと予測されていたと述べ、燃油価格の下落にともなってコスト削減効果が発生したことを説明する。この効果は、DLの場合50億米ドルになるという。一方、需要の減退は避けられず、DLではこの対処として提供座席数の6%から8%を削減する予定。関空/デトロイト線を09年夏スケジュールから運休するのもこの一環で、「選択と集中」を進める。こうした取り組みの上で、合併の効果により2009年から5億米ドルの相乗効果が生まれることから、黒字化は可能と強調。また、提携クレジットカードの契約や手数料の統合などによる相乗効果も見込まれるという。


▽日本は北米・欧州と並ぶ重要市場

 日本市場については、「アメリカ、ヨーロッパと並んで非常に重要なマーケット」と語り、「長年にわたり選んでいただいている顧客を今後も重視していく」と強調。新デルタ航空としては、アジアでの路線網とアメリカ国内や以遠の路線網を融合し、消費者に利便性を提供する方針だ。この方針を進めるため、09年の夏スケジュールから成田とアメリカでのハブ空港であるニューヨークとアトランタ、ソルトレイクシティを結ぶ路線を新規就航または増便する予定。路線全体の提供座席数を減少する中での路線新設・増便は、日本市場、特に成田路線が「選択と集中」の対象になったことを示すものと考えられる。また、現在NWのマイレージ・プログラム「ワールドパークス」が日本航空(JL)と提携しているが、統合後も維持していく予定という。

 2010年の首都圏空港再拡張後の戦略については、まだ未定としつつ「需要に応じて成田路線のキャパシティを増加していきたい」とし、「羽田空港は国内線向けの空港であり続けるだろう」と言及。その上で、「成田空港にはスロットも確保できており、2010年に日本市場の需要が戻り、成田からアメリカへの新しい路線に就航できる機会が得られることを期待したい」と語った。


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