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HKTB、MICEに本腰−専門組織を発足、来年の日本発大型グループは2件

  • 2008年11月14日
(香港発 鈴木次郎) 香港政府観光局(HKTB)は11月13日、「ミーティングス・アンド・エクゼビション・香港(MEHK)」を発足、MICE需要の取り込みを積極化する。香港政府観光局(HKTB)会長のジェームス・ティエン氏(写真左)は「世界経済が弱含み、旅行者の予算も下がることが予測される時期に、こうした組織をつくることを不思議に思うかもしれない」としつつ、「今後はこの分野の競争が激しくなる。経済が厳しい時期だからこそ取り組むことで、世界経済の回復期に競争相手と比べ、(MICEデスティネーションとして)認知を高めたい」と語る。MEHKには年間3000万香港ドル(約3.7億円)、既に決定している5年間で1億5000万香港ドル(約18.6億円)の予算を投じる。

 HKTB理事長のアンソニー・ラウ氏(写真右)は香港をアジア太平洋地域でMICEビジネスをリードするデスティネーションをめざすことを強調。これまで各種の賞でMICE開催都市として高い評価を得ているほか、航空便は1日350便、130都市へネットワークがあり、ホテル、コンベンション施設、サービス面で高いレベルを持つことを活用する。戦略市場として、中国、インド、韓国、日本、イギリス、アメリカの6つを定め、MEHKの担当者を配置。MEHKでは、様々な政府機関と共同、協力するが、MICEのオーガナイザーに対してはワン・ストップ・サービスを提供し、グローバル企業や中国本土の企業のバイヤーやセラーなどとのコンタクトも密にしていく計画だ。また、アジア・ワールド・エクスポで新たに12件、香港コンベンション&エクゼビション・センターでは今年と来年に新たに11件の展示会の誘致に成功しており、これらも弾みとしてMICE誘致を推進する。

 なお、日本市場では来年2月に東京と大阪でイベントを開催する予定だ。日本市場の動向はHKTBが企業グループに提供する特典に限るデータだが、2005/06年度は400件から450件、人数で2万人から2万5000人であったところ、2006年以降は年間600件から700件、人数は3万人から3万5000人と50%増と好調。100名超、あるいは1000名超のインセンティブをはじめとする企業旅行も増加しており、ラウ氏によると日本から掃除・生活関連のフランチャイズビジネスを展開する企業が2000名のインセンティブを実施するほか、服飾関係企業の訪問も決まっているという。