Marriott Bonvoy

スモール・ラクシャリー、アジア市場を強化−「体験」軸のパッケージを提案

  • 2008年10月31日
 スモール・ラクシャリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(SLH)アジア/太平洋地域エリアディレクターのアリソン・ロバーツ-ブラウン氏が来日、今後、同社としてこれまでプロモーションをしていなかった中国、韓国、マレーシアなどのアジア諸国にも展開し、アジア市場を強化する方針を明かした。

 同社の2007年の全世界における予約数はGDS、コールセンター、インターネットを中心に27%増加。2008年は9月まで前年同期比で9%増加しているが、10月以降は世界的な経済の悪化により鈍化し、通年では昨年実績と同程度に着地する見込みだ。こうした状況から、「アジア市場にはアジアを、ヨーロッパ市場にはヨーロッパを」と、各市場の近距離デスティネーションをアプローチし、対応していく。

 商品としては「体験」を軸にした宿泊パッケージを提案していく考え。SLHは加盟ホテルの性質上、富裕者層や旅行者の中でも、経験値が高い成熟した顧客が多い。そうした顧客のニーズに応え、満足させる滞在を提案していくために、同氏は「単なる滞在場所でなく、宿泊することで何ができるか」を訴求していきたいという。加盟ホテルのそれぞれの個性を表現するために「価格でない価値を提案していきたい」という。


▽加盟ホテルは550軒目標、日本での展開に意欲

 現在、SLHは70ヶ国の独立系のホテル480軒で構成。毎年10%前後で成長を続けており、今後は顧客の選択の幅を広げつつ質を維持できる規模として550軒を目標としていく。最近の傾向ではアジア・太平洋地域の加盟ホテル、イタリアやスペインなどのデザインホテルの加盟、MICE需要の増加がみられるという。こうした加盟ホテルの変化と顧客層の広がりに対応すべく、ホテルと顧客、双方のニーズに応えるざまざまな取り組みを進めていく。

 また、2009年中には日本における加盟ホテルを発足させたい考え。特に、東京はビジネス需要を取り込む上で重要な都市と位置づけ、力をいれる方針だSLHでは過去2年間、日本でのブランド認知向上を重要課題として取り組んでおり、日本のホテルからの申し出があるという。同氏は「初進出のホテルはブランドイメージという点で重要」とし、慎重に厳選する考えだ。ホテル、旅館の双方を視野にいれており、「日本のサービスは世界一」と評価する日本のホスピタリティマインドが、加盟ホテルに影響を与えることにも期待している。