JTBグローバルマーケティング、09年は地域型商品元年−販売目標27万7000人

また、野口氏はインバウンド市場について、「中国のポテンシャルは高い」とし、中国の個人旅行ビザが解禁すればさらに市場が拡大すると見込む。分母が小さいもののユーロ高で堅調な伸びを見せるのはスペインやフランスで、アメリカやイギリスはサブプライム問題や座席供給量の減少、ポンド安のほか、長距離路線であることから燃油サーチャージの影響を受けているという。「観光庁設立により官民一体となったプロモーションをもってさらなる拡大をめざしたい」と語った。
地域着地型商品はこれまでの東京、名古屋、大阪、京都に加え、北海道、広島、九州、沖縄の8地域へ拡大するほか、東京発着で東北を訪れるコースも新たに設定する。南東北を訪れる3日間コースはJTB東北と協力し開発、山形でのさくらんぼ狩り体験などもできるという。名古屋から新幹線で富士山を訪れるコースや、JTB九州とJR九州の協力で実現した福岡発着商品は有田と長崎、阿蘇と鹿児島を訪れるそれぞれ5日間コースを新たに販売する。このほか、JTB沖縄が造成、さらに販売も展開するバスツアーなどは訪日外国人だけでなく在日外国人の多い沖縄の販売チャネル拡大もねらうという。
体験型商品「Hands−On JAPAN!」では、本物志向の強い外国人客へのニーズに応えるため、着物や茶道といった伝統文化のほかアニメやコスプレなどのサブカルチャー体験を用意。また、日本のエンターテイメント体験として、シルク・ド・ソレイユの日本限定演目、「ZED(ゼッド)」や、東京競馬場観戦ツアーなどを設定している。2009年は3000名の集客をめざす。
▽販売にはコンサルティング力も必要−FIT拡大を見込む
これまで、サンライズツアー商品は東京、京都で造成しており、2007年度の販売人数22万5000人のうち19万人が東京での取り扱いで、内訳は60%が海外の旅行会社経由、20%が国内外からのインターネット経由、20%が国内の旅行会社やホテル経由であった。JTBGMTサンライズ事業部事業部長の五十嵐潤子氏は、「10年前は海外の旅行会社経由は90%だった」とし、「今後40%台へ減少、FIT拡大にあわせてインターネット経由が進むのではないか」と見込む。サンライズツアーとしての実店舗を持つ予定はないものの、JTB各店舗やトラベランドでのコンサルティング力を強化する取組みもあるという。さらに、ウェブサイト上に新コースの特徴などを紹介するページを立ち上げ、旅程をカスタマイズしたい人にはプライベートツアーを担当するセクションで対応できるような機能をあわせて設置する。
▽JTBグローバルマーケティング 2009年新コース紹介 ウェブサイト
http://www.japanican.com/2009new/
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