観光活性化フォーラム
観光活性化フォーラム

JATA市場調査、海外は前回見通し下回る−国内は海外からのシフトで好転

  • 2008年9月25日
 日本旅行業協会(JATA)が7月下旬から8月中旬にかけて実施した「旅行市場動向調査」によると、DI値は3ヶ月前の前回調査時の見通しから15ポイント減のマイナス62ポイントとなり、業況が予想と比べて悪い状況で進捗している。燃油サーチャージの高騰が消費者から敬遠され、ファミリー層をはじめ夏休みの需要が低迷。業態別では総合旅行会社、海外旅行ホールセラー、リテーラーなどほぼ全ての業態で3ヶ月前よりも業況感が悪化した。インハウスに限って前回調査から好転しており、3ポイント増となるマイナス36ポイント。顧客層別も全体が悪化したが、学生のみ前回から1ポイント増のマイナス75ポイントだが、好転してもマイナス値と厳しい環境は続いている。

 3ヶ月後の10月から12月の見通しも厳しい予想が多い。総合旅行会社は現在から7ポイント増のマイナス74ポイント、海外旅行ホールセラーは25ポイント増のマイナス57ポイントの予想だが、海外旅行全体では現況のマイナス62ポイントから4ポイント減のマイナス66ポイントだ。「ファミリー層は秋以降の先行受注も期待薄」や、「業務出張でも運賃と燃油高騰の影響でダウングレードや出張者数の減少が起きている」という声が寄せられている。顧客層別では、ハネムーンとシニア、インセンティブの層で1ポイントから4ポイントの回復が見られるものの、依然として全ての層でマイナスの数値が続く見込みだ。方面別では、ハワイが3ポイント増のマイナス64ポイント、オセアニアが3ポイント増のマイナス77ポイント、中国が2ポイント増のマイナス68ポイントで、ミクロネシアとアジアは、それぞれマイナス57ポイントとマイナス41ポイントで横ばいの見通しだ。

 国内旅行の現況は、海外からのシフトが進行し、6ポイント増のマイナス6ポイント。ただし、前年比は北海道や奄美・沖縄など長距離路線の動きが鈍い。3ヶ月後は景況感の悪化などに起因して、3ポイント減のマイナス9ポイントの予想。方面別では、現況でのプラス値は東京(含横浜・浦安)のプラス8ポイントと奄美・沖縄のプラス3ポイントのみで、3ヶ月後の予想は東京の4ポイントのみとなる。


※DI値は設問事項に対し、「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4回答を用意、この回答からシェアを算出するもの。「全て良い」場合にはプラス100となる。


▽海外旅行全般DI値(現在/3ヶ月後)
全体/-62/-66
総合旅行会社/-81/-74
海外旅行ホールセラー/-82/-57
海外旅行系旅行会社/-64/-73
リテーラー1/-73/-81
リテーラー2/-60/-67
インハウス/-36/-58

▽顧客層別DI値(現在/3ヶ月後)
ハネムーン/-63/-61
ファミリー/-67/-72
OL/-73/-74
学生/-74/-79
シニア/-38/-37
インセンティブ/-58/-55
商用・視察/-28/-32

▽方面別DI値(現在/3ヶ月後)
ハワイ/-67/-64
アメリカ・カナダ/-68/-69
ヨーロッパ/-49/-58
オセアニア/-80/-77
ミクロネシア/-57/-57
中国/-70/-68
アジア/-41/-41