キュナード・ラインの旅行商品が好調−QE2引退ブーム機に取扱数が増加

  • 2008年9月10日
 クイーン・メリー2(QM2)、およびクイーン・ヴィクトリア(QV)を運航するキュナード・ラインのクルーズ商品が好調に推移している。日本地区GSAのクルーズバケーションによると、「クイーン・エリザベス2(QE2)効果が大きい」という。クルーズファンでない人もQE2の名前は知っており、引退前に乗船を希望するクルーズ初心者の利用が増えた。また、QE2の引退の話題でキュナードを知った人が、後続船のQVやキュナードの旗艦船であるQM2に乗船する傾向があるという。

 キュナードが従来は実施していなかったショートクルーズを開始したことも、日本人の増加を後押しした。QE2で08年春と秋にショートクルーズを運航、2009年春にはQVで4日間と5日間のクルーズを4本、QM2で6日間の1本のショートクルーズを実施し、モニタークルーズの感覚で利用するケースが増えている。また、クルーズバケーションも2009年のQM2とQVのワールドクルーズで長崎、および横浜に寄港することから、日本での乗下船の設定を実現し、日本市場での利用者増加に向けた取り組みを強化している。

 こうした動きを受け、QE2の引退発表後に取扱を開始する旅行会社が増加。今年9月から2009年3月の同クルーズの旅行商品は前年比で約70%増えた。キュナードは2010年に新「クイーン・エリザベス」を就航する予定で、就航までにクルーズを開始したいという考えもあるようだ。こうした効果もあり、クルーズバケーションによるキュナードの取扱人数はQE2、QM2、QVの3艇の運航だった2007年9月から08年3月の実数と、運航船が2艇になる2008年度の同期間の予約数はほぼ同じだという。


▽2010年にQM2がワールドクルーズで日本寄港

 キュナードは2010年、QM2とQVによるワールドクルーズの予約を開始する。このうち、QM2は独自の新ルートを採用。1月4日にニューヨークを出航し、大西洋を横断してスエズ運河から中東、インド、中国を経て2月17日に長崎、2月19日に横浜へ寄港する。その後、ミクロネシアからオセアニアを通るが、太平洋は横断せずにオーストラリアからインド洋を西に進んで南アフリカ、ブラジルを通って日付変更線を越えずに4月15日にニューヨークに寄港するという。クルーズバケーションでは日本寄港地について、2009年のワールドクルーズ同様に、日本からの乗下船を設定したい考えだ。
 
 なお、今回のワールドクルーズについて、2009年2月28日までの予約分にはクルーズ代金の割引などの特典を用意している。


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