アコー、豪・NZなど大洋州の日本人客の鈍化に長期的な視座で対応へ

  • 2008年9月9日
 アコーホテルズのオーストラリア、ニュージーランド、フィジー、タヒチ地域を担当するジェネラル・マネジャーで、グローバル・セールス−アコー・パシフィック日本・アジア地区担当のバーニー・シュルツ氏が来日、日本市場での取り組みなどを説明した。

 アコーホテルズはオーストラリア、ニュージーランド、フィジー、タヒチに130軒のプロパティーを展開しており、このうち日本人の利用が高いホテルは約25軒。現在、円安の為替相場や原油高騰により、日本市場は軟調に推移しているとの認識だ。こうした状況についてシュルツ氏は「過去にもSARSなどの影響で低迷した時期があったが、常に積極的にマーケットとコミュニケーションを取り、消費者のニーズを把握する活動を続けることで、低迷期を乗り越えてきた。今回も同様の姿勢を保ち、長期的な視野で対応したい」と語り、市場のニーズを把握し、サービスに活かす重要性を強調した。

 また、最近はスケルトンタイプのFITパッケージでの利用が多くなってきている。このため、パッケージ造成側のニーズやリクエストに対する迅速な対応に努め、旅行会社との関係を強化。より良いFITパッケージの企画につなげ、「互いにウィン-ウィンの関係を築くことが大事」(シュルツ氏)と語る。シュルツ氏と共に来日したメルキュール・シドニーのジェネラルマネージャーのグレッグ・ブレディー氏も、「実際に会って話をすると、リクエストや問題にもより適切に対応できる」と、直接コミュニケーションをとる大切さを語る。

 現在、アコーホテルズでは10以上のブランドを展開。各ブランドごとにコンセプトが異なり、グループ全体ではあらゆるマーケットをターゲットとしている。しかし、日本の海外旅行マーケット全体が低迷している現在、市場の動向に左右されにくいSITマーケットに可能性を感じており、各ホテルの売り方に工夫を加えている。例えば、リゾートでは、プロパティの概要や雰囲気だけでなく、アクティビティをはじめ「できること」を明確にする販売方法を実践。また、MICE誘致に積極的で、50名から100名規模の団体の受注に成功しているという。