2極化進む夏休み JTBが旅行動向を予測

 JTBがこのほど発表した夏休み(7月15日―8月31日)の旅行動向によると、物価上昇やガソリンの値上がりなど先行きの不透明感から国内、海外とも減少する見通しだ。期間中の総旅行者数は7575万人と推計され、07年より87万人下回りそうだ。ただ、地中海クルーズなど1人80万円前後するツアーは好調に予約が入っており、JTBでは「2極化がより鮮明になった」としている。

 国内旅行は07年の夏休みより70万人少ない7350万人。国内旅行が減少するのは4年ぶり。その中で、今年開園25周年を迎えたTDR(東京ディズニーリゾート)、北海道や四国・四万十川の体験ファミリー旅行、石見銀山と宮島の世界遺産をめぐるコースなどの人気が高い。相対的には、北海道や東北など遠距離旅行が苦戦しているようだ。旅行先で前年を上回りそうなのは関東、北陸、東海、中国・四国の4地域にとどまる。国内旅行の平均費用は前年より400円程度減り、3万5800円と推計されている。

 燃油サーチャージが前年の夏に比べて2倍強値上がりした海外旅行は、17万人減の225万人。2年連続で前年の旅行者数を下回りそうだ。円安基調やホテルの価格上昇などの影響もある。方面別では、燃油サーチャージが比較的安いグアム・サイパンがファミリー客に人気があるほか、米国西海岸の添乗員付き周遊ツアーが増加しているという。また、ヨーロッパのフライ&クルーズ商品、ドナウ川やライン川といったリバークルーズなど高額商品も売れ筋だ。海外旅行の平均費用は8000円増え、24万円。JTBでは北京オリンピック後の中国旅行復活に期待している。

 調査は、全国200カ所で15−79歳の男女1200人を対象に実施した。


情報提供:トラベルニュース社


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