DS模擬問題:ポルトガル編

  • 2008年6月9日

問 ポルトガルの世界遺産の中で、唯一自然遺産として登録されている場所は次のどれか

 A アソーレス諸島
 B マデイラ諸島
 C コア渓谷
 D アルト・ドウロ・ワイン生産地域



  ――正解は最下行へ

ココに注目!


▽本土から離れた島々にも多彩な魅力あり

 イベリア半島の西南部に位置するポルトガルだが、大西洋にも領土が広がる。それが、マデイラ諸島とアソーレス諸島。いずれも世界遺産に認定され、観光地としての見どころが多い場所だ。年間を通じて気候が温暖で、特に火山諸島であるマデイラ諸島はアフリカ沿岸から800キロに位置し、「大西洋の真珠」、「洋上の楽園」として、ヨーロッパ屈指のリゾート地として早くから開発されてきた。花やトロピカルフルーツにあふれた南国リゾートしてのみならず、ポルトガル唯一の世界自然遺産である「マデイラ諸島のラウリシルヴァ」があり、多くの観光客でにぎわう。

 また、リスボンから1460キロの大西洋上にあるアソーレス諸島は、亜熱帯性気候と多量の雨による緑豊かな牧歌的な火山列島で、ホエールウォッチングをはじめとする多様なアクティビティが人気。また、紀元前にはすでにフェニキア人が訪れ、その後は大西洋の交通の要衝として発展を遂げた。そのため、長い年月をかけて歴史と文化が育まれ、「アソーレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの町の中心地区」、「ピコ島のブドウ園文化の景観」が世界文化遺産に登録されている。



▽マデイラ諸島の世界遺産

・マデイラ諸島のラウリシルヴァ
 マデイラ島の中央部は標高差が激しく、植物層が多彩。特に月桂樹林を中心とするラウリスルヴァ(照葉樹林原生林)は、氷河期以前の約7000万年前から約100万年前から残る太古の森で、現在も生きつづけている。森にはアジサシ、ウミツバメなどの多種類の鳥類が生息しており、バードウォッチングも人気。




▽アソーレス諸島の世界遺産

・アングラ・ド・エロイズモの街の中心地区
 アングラ・ド・エロイズモは、アソーレス諸島で3番目に大きいテルセイラ島の中心地。大航海時代はヨーロッパと新大陸、アフリカ西海岸を結ぶ交通の要所となり、港湾都市として発展した。アソーレス諸島の中心都市でもあり、中心部にはレデントール・デ・セ大聖堂などの多くの歴史的建築物が残る。
 
・ピコ島のブドウ園文化の景観
 ポルトガル最高峰の火山がそびえるピコ島。そのため、溶岩の混じる不毛の大地であったが、15世紀以降、入植者たちの努力によりブドウ畑へと転身させた。潮風の塩害を防ぐために築かれた石垣が、棚田のような独特の景観を作り出している。ブドウ園は徐々に規模を拡大し、19世紀のはじめには酒造所も完成した。ピコ島のワインはロシア皇帝に愛飲されたことでも有名。19世紀後半に流行した葡萄の病気の影響で、ワインを作り続けるもところが激減してしまったが、現在もピコ島で造られたワインは、ポルトガル政府の原産地統制の対象となっており、世界的なファンも多い。







正解 B