DS模擬問題:ポルトガル編

問 ポルトガルの世界遺産の中で、唯一自然遺産として登録されている場所は次のどれか
A アソーレス諸島
B マデイラ諸島
C コア渓谷
D アルト・ドウロ・ワイン生産地域
――正解は最下行へ
ココに注目!
▽本土から離れた島々にも多彩な魅力あり

また、リスボンから1460キロの大西洋上にあるアソーレス諸島は、亜熱帯性気候と多量の雨による緑豊かな牧歌的な火山列島で、ホエールウォッチングをはじめとする多様なアクティビティが人気。また、紀元前にはすでにフェニキア人が訪れ、その後は大西洋の交通の要衝として発展を遂げた。そのため、長い年月をかけて歴史と文化が育まれ、「アソーレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの町の中心地区」、「ピコ島のブドウ園文化の景観」が世界文化遺産に登録されている。
▽マデイラ諸島の世界遺産

マデイラ島の中央部は標高差が激しく、植物層が多彩。特に月桂樹林を中心とするラウリスルヴァ(照葉樹林原生林)は、氷河期以前の約7000万年前から約100万年前から残る太古の森で、現在も生きつづけている。森にはアジサシ、ウミツバメなどの多種類の鳥類が生息しており、バードウォッチングも人気。
▽アソーレス諸島の世界遺産

アングラ・ド・エロイズモは、アソーレス諸島で3番目に大きいテルセイラ島の中心地。大航海時代はヨーロッパと新大陸、アフリカ西海岸を結ぶ交通の要所となり、港湾都市として発展した。アソーレス諸島の中心都市でもあり、中心部にはレデントール・デ・セ大聖堂などの多くの歴史的建築物が残る。
・ピコ島のブドウ園文化の景観
ポルトガル最高峰の火山がそびえるピコ島。そのため、溶岩の混じる不毛の大地であったが、15世紀以降、入植者たちの努力によりブドウ畑へと転身させた。潮風の塩害を防ぐために築かれた石垣が、棚田のような独特の景観を作り出している。ブドウ園は徐々に規模を拡大し、19世紀のはじめには酒造所も完成した。ピコ島のワインはロシア皇帝に愛飲されたことでも有名。19世紀後半に流行した葡萄の病気の影響で、ワインを作り続けるもところが激減してしまったが、現在もピコ島で造られたワインは、ポルトガル政府の原産地統制の対象となっており、世界的なファンも多い。

正解 B