Marriott Bonvoy

オークラとロイヤルホテルが提携、マーケティング会社を設立、レップも視野

  • 2008年6月2日
 ホテルオークラとリーガロイヤルホテルを運営するロイヤルホテルは5月30日、業務提携を発表、第一歩として両社が出資してマーケティング会社「オレンジ・マーケティング・サービス・ジャパン」を設立する。新会社にマーケティング業務を移管するとともに、販売促進活動を統合し、広告宣伝や広報、セールス、顧客管理を担い、両グループの宿泊予約の受付を集中して受け付けるほか、ホスピタリティ産業向けにマーケティング機能を提供する。また、国内ホテルなどの新規加盟誘致や海外の独立系ホテルの日本市場でのマーケティング代行、海外チェーンホテルとの戦略的提携に基づく相互送客、加盟ホテルの海外での販促活動の支援などにも取り組む。今後は、国内外ホテルチェーンとの提携、人材の相互派遣と共同研修、共同購入によるコスト削減も進める方針。

 提携の背景には、外資系ホテルの進出による競争激化がある。ロイヤルホテル代表取締役会長の佃孝之氏は、「海外のホテルチェーンは、世界のネットワークの中で500軒、1000軒のホテルを持っており、顧客を囲い込めているが、国内ホテルは各ホテルが建つ地域だけで営業している」と問題意識を説明。その上で、「まずは国内とアジアでネットワークを形成する」とし、「規模の利益」を実現する考えを示した。現在は、ホテルオークラが国内17軒と海外6軒、ロイヤルホテルが国内10軒を展開中。またホテルオークラはすでに、バンヤンツリー・ホテルズ&リゾーツとタージ・ホテルズ・リゾーツ&パレスとマーケティング契約を締結しており、これも有効活用する。

 なお、新会社の資本金は9500万円で、出資比率はホテルオークラが55%、ロイヤルホテルが45%。現時点では資本提携は検討していないものの、企業文化や価値観が共通していることが提携のきっかけとしており、今後も提携の可能性を探っていく考えだ。代表取締役には、ホテルオークラ執行役員の田口昌男氏が就く。従業員数は約50名の予定。また、「オレンジ」の名称は、オークラとロイヤルホテルの頭文字「O」「R」を盛り込んだものだ。