アクセスランキング、1位はDL・NW合併、2位は就職希望調査、3位SQのA380型機

  • 2008年4月19日
[総評] かねてから噂されていたデルタ航空とノースウエスト航空の合併が発表されました。噂されていたとは言え、改めて発表されると衝撃的でした。昨年、DLがチャプター11を終了し、本格的な再建に向けて、アトランタ空港内のハンガーで本社スタッフ、整備士、客室乗務員、パイロットとあらゆる立場の社員が集まり、これからのDLを盛り上げようという雰囲気をアトランタを訪問した際に肌で感じました。ただし、第4位にあるユナイテッド航空(UA)、コンチネンタル航空(CO)の声明にあるとおり、「状況が変わった」ことを米系航空会社の経営陣だけでなく、私たちも認識しなければならないでしょう。アロハ航空(AQ)のチャプター11の再適用と旅客便の運航停止でも触れましたが、原油高は航空会社の経営を圧迫しており、統廃合を引き起こす厳しい環境にあることを改めて認識し、今すべきことを考えていかなければと思います。

 こうした世界の状況において、日本市場では燃油サーチャージが海外旅行需要の低迷、とりわけレジャー市場の低迷に直結しています。ゴールデンウィークは厳しい状況にあり、中国の集客がすすんでおらず、訪問者数が多かっただけに海外旅行が全般的に低迷しています。ただ、4月から6月の状況は、全般的に健闘している、と個人的に思っています。少しでも前向きになるために、「ゼロでなくとも、販売環境を改善」するという目的で、JATAが主導して進めているIT運賃における燃油サーチャージの対応の結論が待たれます。

 今週、最も気になった話題は、就職希望調査での旅行会社の順位です。この調査からすると、旅行業界は学生から「花形」と捉えられていた時代は「過去のこと」と認識しなければならない、と改めて思い、そして否応なく見せ付けられた気がしました。ジェイティービーは以前、上位1桁にランクインする人気でしたが今年は23位、エイチ・アイ・エスの若年層の人気にもやや陰りがあるのかと思わせるような感じも、この調査から受けました。ただ、学生層は、インターネットの普及による情報交換で、イメージと現実のギャップが埋まってきており、魅力のない業界に見えていると危惧します。おそらく、これまでの仕事の進め方から旅行業界の慣習にいたる多くの点を変えなければ、私たちの旅行業界は人材確保という点で苦しみ、長期的には業界の地位低下、あるいは観光立国も掛け声だおれになってしまうと危惧します。若い人たちの海外旅行離れも、何やら関係があると疑うのは私だけでないと思います。

 明るい話題はエアバスA380型機の日本就航を前に、シンガポール航空(SQ)が客室設備を公開したことでしょうか。東京・赤坂で新しくオープンした施設での展示は、テレビでも放映されていますが、明るい話題となっています。ぜひ、A380型機について書いた本を紹介していますが、厳しい中でも明るい気持ちにさせてくれる本を手に取り、海外旅行に行ってもらいたいですね。(鈴木)


▽トラベルビジョン・記事ランキング(4月第3週:4月14日〜4月18日午後6時)
第1位
デルタ航空とノースウエスト航空が合併、新名称は「デルタ航空」に(2008/4/15)
新会社デルタ航空、統合効果でノースウエスト運休の成田/JFK線の復便視野(2008/4/16)

第2位
全日空が1位、旅行会社は後退、100社中3社がランクイン−就職希望調査(2008/4/18)

第3位
シンガポール航空、A380機内を東京で6日間展示−毎日1組航空券プレゼント(2008/4/14)
シンガポール航空、A380型機Yクラス販売はチャレンジ−スイートはFの15%高(2008/4/16)

第4位
ユナイテッド航空とコンチネンタル航空、DLとNWの統合を受け、声明を公表(2008/4/17)

第5位
GW期間の旅行予約は10%減から40%減で推移、日並びに中国の不振が痛手(2008/4/14)

第6位
ユナイテッド航空、成田発アジア路線のPEX運賃を総額表示−限定的な取り組み(2008/4/17)

第7位
JATA、「サーチャージ込みIT運賃」は来年上期の実現を−パンフ表記も協議中(2008/4/15)
JATA石山氏、サーチャージ込IT運賃は5月にもめどを(2008/4/17)

第8位
日本航空、ブラジルに臨時便を2本運航、6月の日伯100周年記念行事にあわせ(2008/4/16)

第9位
ジェットスター、提携でパシフィック航空の名称変更、ベトナム初のLCCに(2008/4/17)

第10位
厚労省、バリ島からの帰国者が発疹熱を発症事例で注意喚起(2008/4/15)