旅行各社で入社式−新社長訓示でHISは「挑戦」、KNTは「心」がキーワード

  • 2008年4月2日
 新年度の初日となった4月1日、旅行各社のトップが新入社員に対し、これからの業界での生きかたを各社長が訓示した。4月1日付けで社長に就任したエイチ・アイ・エスの平林朗氏は第二創業期のスタートにあたる節目の年として、「変化への対応は新しいことへの挑戦が必要不可欠」とのべ、社長自ら「率先垂範して挑戦することを約束」し、新入社員に対しても「私以上に若さを発揮して挑戦していただきたい」と挑戦し続ける姿勢を持ち続けることを強く訴えた。

 また、4月1日付けで新社長に就任した近畿日本ツーリストの吉川勝久氏は「本当の競争相手は消費者動向、お客様の購買意識」とし、旅行業に限られた競争ではなく、アパレル、外食、スポーツ、携帯電話など幅広い視野を持ち、「既存の旅行商品の限られたパイの中だけで企業間のシェア争いをするだけでなく、旅行を核にした新たな市場を作り上げることが必要」と説いた。そしてKNTの強みを「常識にとらわれない社員の『発想力』と強い『現場力』にある」とし、自らの近鉄での経験を踏まえ、「頭」 と「体」と「心」の重要性を現場から感じ取る重要性を強調した。

 新たな組織体制に変わった阪急阪神交通社ホールディングス代表取締役社長の小島弘氏は、「阪急阪神交通社ホールディングスが発足した歴史的な日。会社はこれから新たな発展、成長をしていく」と新入社員に表明。そのための2点として、まず「自分の伝えたいことを伝える、相手の言いたいことを理解する『対話力』を磨」くことが重要で、「(そのためにも)読書、新聞により良い言葉良い表現を勉強して文章力を磨く」、そして「無形のモノをあつかうサービス業であり、『誠心誠意』業務にあたって」と呼びかけた。

 日本旅行代表取締役社長の金井耿氏は、旅行業界は消費者の趣向の変化に ともなう対応する局面で激しい局面にあるとした上で、「時代の動きを敏感に捉え、それに対応し変化していける会社でなければならない」とし、「お客様と最前線で接する新入社員が変化に対応する先兵になって欲しい、アンテナになって欲しい」とし、それが「日本旅行の新しい100年の歴史になる」と語った。

 JTBグループのうち、JTB首都圏代表取締役社長の石川尅巳氏は「3年目は決して楽な状況ではない」と足もとの厳しい状況を示唆しつつ、「どの時代も一定程度の懸 念や不安を抱え、諸先輩方はそれを乗り越えてきた。このような状況に立ち向かうには、最後は『人』の力」とし、「『人で差をつける』、『人で勝つ』ことを念頭に置いて」と努力を呼びかけた。

 クラブツーリズム代表取締役社長の岡本邦夫氏は3月31日に開催した入社式において、「お客様との 約束=クラブツーリズムのブランド」と認識すること、社会人として人との付き合いが自己を成長させる、そのため、まず目の前にある仕事を第一に取り組むこ とを述べた。また、旅をしてもらう「お客様のことを旅のあらゆる場面で、一生懸命考える習慣を身に付け、旅を単に提供するだけでなく本当に感動していただける時間をご提供」することを意識するよう訓示した。