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現地レポート−カナダ トンプソン・オカナガン地方

  • 2008年3月14日
冬季オリンピックでスキー需要の再脚光に期待
シニア、ファミリーにも合致する充実のリゾート


 2010年のバンクーバー冬季オリンピックを控え、あらためてカナダのスキーリゾートに注目が集まりそうだ。スキー競技などの会場となるウィスラーは北米最大級のスキーリゾートとして人気を集めているが、カナダ西部にはほかにも数多くのスキー場が点在している。今回はその中でも、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州のトンプソン・オカナガン地方にある3つのリゾート、「ビッグホワイト」「シルバースター」「サンピークス」を訪れた。カナディアン・ロッキーの西側、モナシー山脈に広がるこの一帯は、乾燥した気候のため雪質が非常に良いことで知られ、こだわりあるスキーヤーの間では一目置かれる存在となっている。

 ほどよい大きさの規模で、アットホームな雰囲気のビレッジ、変化に富んだコースとすばらしい眺望など、パウダースノー以外にも魅力は多い。また、北米の有名リゾートと比べると、宿泊料金も全体的にリーズナブルで、長期滞在のスキーヤー、ファミリーにも合致する新しいウィンターリゾートといえる。特に、若者の人気が高いウィスラーなどの大型リゾートを賑やか過ぎると感じるシニア世代のスキーヤーの支持も獲得できそう。縮小傾向にある日本のスキー人口の中で半数を占める50歳以上のシニア層は、今後の海外スキー旅行の核となる重要市場になるだろう。

 ブリティシュ・コロンビア州では、今後これらのスキーリゾートを積極的に紹介していく方針で、同時にウィスラーとの組み合わせによるプロモーションも検討中だ。同州観光局旅行業界担当の吉原麻結氏も「宿泊料金の安いこのエリアの場合、交通費を足しても旅費はリーズナブル。人気のウィスラーと組みあわせ、2ヶ所のリゾートが楽しめるユニークなツアーができるのでは」と、サンピークスについては日本マーケット向けのパッケージレートの検討を提案。バンクーバーのツアーオペレーターとともに商品化の可能性を探っている。来シーズンに向けて、ウィスラー+アルファ、あるいはポストウィスラーといったタイプの新しいスキー商品の登場が期待できそうだ。
(取材協力:ブリティッシュ・コロンビア州、エア・カナダ、ビッグ・ホワイト/シルバー・スター、サン・ピークス観光局)

↓各リゾートのレポートは下記へ

ビッグホワイト、“シャンパンパウダー”の雪と充実したアクティビティ
シルバースター、大胆な斜面を楽しめるスキー場、クロスカントリーも可能
サンピークス、金メダリストとダイナミックなスキーを堪能

スキー場内のリゾートビレッジからスキーイン&スキーアウト

 各スキー場の特徴のひとつが、宿泊施設の
整ったリゾートビレッジがスキー場の真ん中
にあること。このため、ほとんどのホテルや
コンドミニアムから、スキーをはいてゲレン
デにアクセスが可能。つまりスキーイン&ス
キーアウトができるわけだ。

 部屋でスキーウエアに着替えたら、スキー
ロッカーへ直行。そしてドアを開けたらそこ
はもうゲレンデ。麓まで滑り降りたら、今度
はゴンドラやリフトにのって、途中にあるビ
レッジを通過して山頂部へ。そんなテンポの
いい楽しみ方ができる。もちろん、ゲレンデ
ビューの部屋では、まさに目の前がスキー場。
リゾート気分もひときわ盛り上がる。


名産のワインとともにリゾートグルメ体験

 オカナガン地方はカナダでも有数のワイン
産地。細長くのびるオカナガン湖を見下ろす
斜面にはブドウ畑が広がり、そこに80以上の
ワイナリーが点在している。適度にドライな
気候とミネラル豊富な土壌が、酸味の強い個
性のしっかりしたワインに適している。産地
としての歴史はまだ浅いが、すでに世界的な
コンクールなどで賞を受賞するワイナリーも
続出している。

 スキー場のほとんどのレストランでは、こ
のオカナガン・ワインを豊富に揃えている。
地元の新鮮なフルーツや野菜を多用したヘル
シーな料理とともに、その豊かな味わいを堪
能するのも滞在中の楽しみだ。味が気に入っ
たらワイナリーを訪問してみるのもいい。オ
ーガニックのブドウを育てるなど、小規模な
がらこだわりあるワイン造りを行っていると
ころが多い。赤・白各種のワインはもちろん
のこと、冬に収穫するデザートワイン「アイ
スワイン」もここならではの名産品。ただし、
冬期は念のため事前予約をした方が無難だ。