中部、07年は黒字確保か−08年は減便で忍耐の年も未来への道筋つける

  • 2008年2月15日
 中部国際空港代表取締役副社長の伊藤鎭樹氏は2月14日、開港3周年を前にした記者会見で、減便や運休などの影響により2008年が「忍耐の年になる」とし、需要拡大やコスト削減などにより、「筋肉質な体質をめざす」と語った。また、「未来への道筋をつける年でもある」ことから、「2010年に環境が大きく変わる。『全員営業』の意識で、中部空港の実力を蓄えるためのスタートの年にしたい」と抱負を述べた。 2007年度は、減便などで利益見通しを下方修正したが、「何とか3年連続の黒字を確保できる見通し」という。

 現状は、「国際線は、旅客数伸び率で成田と関空より高い数値を確保しており、堅調」だが、「国内線は苦戦を強いられている」という状況にある。2008年度は地方乗り継ぎのプロモーションを地道に継続し、東海北陸自動車道や新名神高速道路を活用し、北陸や滋賀、京都などからも利用者を獲得していく。また、国内線を乗り継ぐ場合の利便性も高いとアピールし、活性化していく。07年8月に全日空(NH)などと開始した「でら九州」キャンペーンは、「相当な手ごたえがあった」ことから、NH以外の航空会社とも連携し、積極的に需要喚起する。


▽逆風も新規就航や復便も

 中部は国際線で逆風の環境下にあるが、タイ国際航空(TG)のバンコク線新規就航、ガルーダ・インドネシア航空(GA)のデンパサール線復便など明るいニュースもある。特にTGのバンコク線は「中部発の深夜便という点で新しい領域を開く」と歓迎する姿勢だ。「深夜便は他の航空会社からも注目度は高いと考えている。(深夜便という)新しい需要を開拓するため、あらゆるボトルネックを改善し、万全の受け入れ態勢で望みたい」と、今回のTGの就航をチャンスと捉え、さらなる便の誘致を強調。名古屋駅から30分弱というアクセス性から、「23時台の最終電車に乗っても1時のTG便に搭乗可能」という利便性を前面に出し、実績を積み重ねたい考え。