HVCB、ハワイ州観光局とMICEを強化−日本市場を2倍へ引き上げ

  • 2007年12月19日
 ハワイ・ビジターズ・アンド・コンベンション・ビューロー(HVCB)は今後、HVCBアジア地区営業本部長の西茂氏を中心に、ハワイ州観光局(HTJ)と共同し、日本でのMICE関連需要の取り込みを強化する。来日したHVCBセールス&マーケティング副社長のマイケル・モリー氏は、今後の方針を語った。

 MICE利用での訪問者数は現在、ハワイ訪問者全体の10%程度の約70万人で、10%のうち3%はビジネス旅行。訪問者数は10%だが、消費額は全体の16%を占めており、今後5年間で訪問者数を全体の20%へと増加をめざす。日本からのMICE訪問者は、2006年の日本人訪問者数全体の137万4454人のうち約5.2%の約7万2000人であったが、新禁煙法の施行後にオーガナイザーから敬遠され、現状としては前年比約30%の減少という。ただ、HTJディレクターの一倉隆氏は、「少しずつ戻りつつある」とし、「ポテンシャルは高く、10%に到達したい」と意欲を語る。また、現在はインセンティブ旅行がほぼ半分ながら、先ごろにはトヨタが5000名規模の会議を開くなど、多様化しつつあるという。

 今後のプロモーションでは、ビジネスのデスティネーションとして、イメージ浸透をねらう。例えばヘルス&ウェルネスやIT、海洋科学や地球科学などの分野の先進性をアピールする方針。会議やコンベンション需要に対しては、環太平洋地域からのアクセスの良さを訴えていく。特に先ごろは環太平洋に展開するトヨタが、5000名規模の会議を開催したという。オーガナイザーや企業へのアプローチの強化に加え、産業団体などの国際組織にも働きかけ、西氏を中心に、ニーズに合わせた柔軟なサービスを提供する。アメリカやハワイの財界などの著名人20名で「ハワイ・スピーカーズ・ビューロー」を組織し、講演会などにオーガナイザーを招待してハワイでのMICEを体感してもらう計画も、2008年3月から開始する予定だ。

 一方、レジャー・デスティネーションは「ビジネスでの利用に向かないのでは」、との見方がある。これに対し、モリー氏は「リゾートだからこそモチベーションを向上し、ビジネスの効率を上げられる」と反論。一倉氏も、「インセンティブなどで家族が同行する場合、安全、衛生環境、食などの諸条件が整っており、老若男女全てが楽しめる」と優位性を示す。ハワイ全体で宿泊施設の部屋数が7万2000室というキャパシティの大きさやコンベンション施設など、ハード面の充実も打ち出す方針だ。

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