和歌山大と琉球大、観光学部を設置−地域活性化の担い手育成へ

  • 2007年12月11日
 和歌山大学と琉球大学は2008年4月、国立大学では初めて観光系の学部を設置する。このほど文部科学省から正式に認可が下り、和歌山大学では「観光学部」、琉球大学では「観光産業科学部」を設置する計画で、すでに学生の募集も開始している。いずれの大学も、地域に根ざした観光のあり方を実現する人材の育成に力を注ぐ。2大学ともに今年度以前から観光関係の学科を設けており、これら学科の学生は新学部の該当する年次に編入する。

 観光学科を今年度設置していた和歌山大学では、新設学部の下に「観光経営学科」と「地域再生学科」を配置。観光経営学科では観光経営論やホテルマネジメントなどの科目を設け、観光産業の経営戦略を担える人材の育成をめざす。一方地域再生学科では、グリーン・ツーリズム論や地域マネジメントケーススタディなどを通し、観光資源の開発など観光行政的施策を企画立案できる人材を育てる。教員数は16人から25人に増員し、学生数は今年度入学の1年生79名に加え、110名を募集する。

 琉球大学では2005年以降、「観光科学科」と「産業経営学科」で観光系の人材育成を展開してきた。観光科学科では、観光関連産業の経営や運営管理などの教育を目標とし、海外の交流協定大学との連携を通して、国際的に通用する人材を育成する。産業経営学科では、地域再生や地域活性化などを主眼に、観光産業を含めた産業全体が直面する問題の解決を担う人材を育てる。来年4月時点での学生数は、両学科で340名から350名の予定。