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ル・ムーリス、リニューアルや収益性向上で、伝統とモダンを融合へ

  • 2007年10月30日
 ドーチェスター・コレクションのうち、パリのパラス・ホテルのル・ムーリス総支配人のフランカ・ホルトマン氏が来日、現況や今後について語った。ル・ムーリスは1998年から2000年にかけて大幅なリニューアルを実施したが、それ以降はリニューアル等が無く、質を維持する目的でロビー等のリニューアルを実施する。リニューアルは空間デザイナーのフィリップ・スタルク氏を起用し、ミシュラン3ッ星レストラン「ル・ムーリス」総料理長のヤニック・アレノ氏の料理も引き立つような雰囲気も演出するという。こうしたリニューアルで、伝統とモダンの調和を生み出し、人的サービスを含めた全体の質を高め、顧客に「驚き」を提供するホテルとする考え。

 また、顧客の国別利用状況はアメリカが26%、ヨーロッパ14%で、そのほかの重要市場として中近東が15%、日本が8%。ホルトマンGMは「市場を多様化し、一つの市場に偏重しない方向性を模索したい」という。このため、ビジネス、レジャーについても時期によってシェアは異なるものの、良いバランスを保ちたい考え。また、2006年6月のGM就任後は、顧客の要望に応えながら、収益性を高める方策を打ち出してきた。その一つが料飲部門の再構築で、メインダイニングでは、ビジネスでもレジャーでも対応できるメニューをそろえ、高級でありながら、異なる顧客ニーズを満たす方法を打ち出しているところ。2年前と比べると全収益は約39%増と高まり、来年にはいっそうの拡大を視野に入れているという。

 また、同ホテルのセールスマネージャーの鈴木猛彦氏によると、日本市場については「ユーロ高により、出張で利用する範囲ではなくなってきている」というが、社長、役員クラスの利用のほか、レジャーでは団塊世代、あるいはハネムーンが増えているとしており、引き続きミシュラン3ッ星のレストランなど、質の高さを前面に打ち出して誘客する考え。