アリラ・ホテルズ、10年までに15軒運営へ−5つのパッケージで差別化

  • 2007年10月22日
 インドネシアで4軒のホテルとリゾートを運営するアリラ・ホテルズ・アンド・リゾーツは2010年までに、東南アジア、インド洋、中東地域に拡大し、15軒のプロパティを運営する計画だ。世界的な経済回復と特にアジア圏での成長により、新デスティネーションとハイエンドを求める新客層が増えるとにらみ、ラグジュアリー市場のニッチ客の獲得をめざす。これにあわせ、同リゾートの社長兼CEOのマーク・エデルソン氏、副社長兼セールス・マーケティングのドリス・ゴー氏が来日し、旅行業界に向けてさらなる協力と関係強化を訴えた。

 同ホテルは各地の文化・伝統と現代的デザインにこだわり、独立系ホテルとしては初めて「デザインホテルズ」に加盟。ただし、ハードやサービスにとどまらず、デスティネーションと現地のコミュニティ、ホテルとの融合をコンセプトにし、その土地ならではの本物の体験を提供することを差別化の最大のポイントとしている。主要客を、休暇にライフスタイルの延長を求める教養のある富裕層と捉え、現地の食、文化・交流、アクティブなどをテーマとする5つのパッケージを提案。既にカップル向けの「セレブレーション」と現地のライフスタイルなどを学ぶ「コンシャス・リビング」は商品化し、好評を得ている。セールスコールで紹介したところ、特に新プロダクトを求める新興の旅行会社からの関心が高かったという。

 現在、日本からの予約はウェブサイト経由の直接予約がほとんどで、全市場のトップ5に位置する。ウェブサイトは英語と日本語の2言語で展開しているほか、東京オフィスを開設してピーアール活動を本格化するなど、日本を重視する姿勢を強調。今後は旅行会社の取扱いも増やしたい意向で、「パッケージツアーを組むか、FIT販売かは旅行会社次第だが、われわれのホテルは説明が必要」として、一般消費者への認知向上に努める考えだ。


▽進出先には世界遺産都市も

 今後は07年12月にタイのチャアムに新ホテルをオープンするほか、2008年には新形態の「アリラ・ヴィラズ」をモルディブとバリに開業。2年後には世界遺産に登録されたラオスのルアンパバーンやベトナムのホイアンなどにも進出する予定だ。さらに日本でも「シティホテルは競争が活発だが、地方のリゾートは空洞部分がある」として「コンテンポラリーな旅館などビジネスチャンスある」と積極的な展開を示唆した。