ドーチェスター5ホテルの総支配人、DOSが来日

  • 2007年5月24日
「ドーチェスター・コレクション」ブランド名変更の披露イベントを開催

ドーチェスター・コレクションが5月22日に開催した「ドーチェスター・コレクションブランド名変更披露の記者会見」には多数のメディア関係者が来場し、日本市場での関心の高さを示した。別席の個別インタビューでは、来日したグループ5ホテルの総支配人は、各ホテルの動向と今後の方針を説明。日本市場を意識したサービス展開などをアピールした。


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ドーチェスター・コレクション、世界各地への進出検討−新世代の取り組みも [掲載日:2007/05/23]


ホテル・プラザ・アテネ(パリ)
総支配人 フランソワ・ドラエ氏


プラザ・アテネの宿泊客のうち、日本人は6%ぐらいだろう。重要なのはマーケットシェアではなく、社会的に重要であり、かつ非常にプレステージの高い宿泊者が多いということだ。ロケーションはアベニュー・モンテーニュの前にあり、非常にアクセスしやすい。

館内の施設のなかでも、アラン・デュカスのレストランは最も「アイコン」的な存在だ。特に日本人を意識した対応をしているわけではないが、世界的な日本食ブームを受け、ルームサービスに「すし」を用意している。日本の方にとっては、「和食」とまではいかないものの、こうしたサービスを楽しんでいただけるだろう。


ザ・ドーチェスター(ロンドン)
総支配人 クリストファー・コードレイ氏


ロンドンのドーチェスター・ホテルはグループにとって、名称の由来となる「アイコン」的な存在だ。この5年で20ミリオン・ポンド(約14億円)を投資し、客室の改装やレストランを含む公共エリアの改装を進めている。ペント・ハウスの3室の改装が9月に完了し、「アラン・デュカス・アット・ザ・ドーチェスター」としてレストランもオープンする予定だ。

改装は常に、その時々の滞在客の期待とマッチするように実施している。ホテルはロンドンを訪れる人に対しても「住人であるかのようなゆとりを提供する」ことを目指している。客室で楽しんでいただきたいことは、各所に使用するファブリックだ。「英国」を表したものだが、これが大きなアピールポイントだ。

また、ホテルのプロムナードは英国紅茶協会(British Tea Council)から、ベスト・アフタヌーン・ティ・プレイス2007として表彰されている。日本からの観光客の方々にも、本場イギリスのアフタヌーン・ティで、我々のホテルを堪能してもらいたい。


ビバリーヒルズ・ホテル
総支配人 アルバート・デル・ホヨ氏


アメリカではラグジュアリー・マーケットの市場規模が拡大している。その中でもビバリーヒルズはトップに位置づけられるホテルであり、ロサンゼルスの都市が発展する前からあるホテルとして、歴史もある。

ハリウッドの映画、テレビ産業と共に歩んできたホテルであり、ホテルが伝説そのものだ。例えば、往年の大女優マレーネ・ディートリッヒがホテルに宿泊した際、女性はスカートをはかなければならないという観念の時代であった当時に、パンツルックで現れた。この写真が世界中に配信され、女性がズボンを履くということが一般的になった。

現在、ホテルは、約1000人のトップ俳優、ディレクターを集めるオスカーの前夜祭として利用されているほか、グラミー賞授賞式後のパーティも開催している。この1000名を集める会場は、プールにふたをして、テーブルや椅子、バーを設置している。

ただ、ラクジュアリーマーケットの拡大もあり、現在は6000ドルのバンガローを売るより、600ドルの客室を売る方が難しい時代であることも認識している。


ホテル・プリンチペ・ディ・サヴォイア(ミラノ)
総支配人 エツィオ・アティリオ・インディアニ氏


昨年はトリノオリンピックで好調に推移した。日本市場は約6%だが、今後はこれを伸ばし、8%から9%のシェアに高めたい。今年の推移はオリンピックの反動でやや弱含みだが、稼動率や平均客室単価は高く、非常に良い状況にある。日本市場向けには和朝食を用意することをはじめ、プロモーションやパッケージの設定を積極的にしていきたい。

ホテルの売りのひとつはレストラン「アカント」。庭に面しており、外の雰囲気を楽しみながら食事の時間をゆっくりと楽しんでもらうには最適だ。メニューの5割から6割は決まったものだが、シェフが毎朝市場に出かけ、そこで仕入れた新鮮なものを提供している。イタリアでも日本食はブームで、てんぷら、さしみなど、ヨーロッパ風のアレンジを加えたものを楽しんでもらえるだろう。

客室は、日本人のビジネスマンには木をベースとしたものが好まれ、カップルにはモダンなモザイクの内装が好まれる。デラックスルームは6月末に1室の改装を終えるが、9月末に全60室の改装が終わる予定だ。12月ごろにはパブリックエリアの改装も終える予定で、バーが伝統的なものから、伝統とモダンを融合した雰囲気になるだろう。

また、当ホテルではコンシェルジェ・サービスも強みだ。手配できないものは無いくらいで、プライベートジェットの手配から当日のオペラの最上級の席など、ありとあらゆるサービスを提供している。


パリ・ル・ムーリス(パリ)
セールス&マーケティングディレクター クリストフ・ショピノー氏


鍵となるのは全世界へのセールスコールとピーアール施策。特に、ラグジュアリー・マーケットでのピーアールは重要な意味を持つ。日本市場については客数を伸ばしたいと考えており、セールス担当者を置いた。また、ホテルのディレクトリーやレストランのメニューの日本語表記版を用意したほか、テレビは日本語のチャンネルを3つ用意。ホテル横にあるレストラン「キヌガワ」と連携し、すしをはじめデリバリーをしてくれる。

現在、昨年比で14%増と非常に好調だ。特に、日本人が好む場所の立地であることが良い結果に繋がっていると思われる。1835年に建てられ、リトル・ヴェルサイユというのがあり、これが人気だ。パリの「パレス・ホテル」の中で最も古い建物で、ホテル内のシャンデリアや装飾品などを見てもらいたい。

ホテルはオープン時から、時代の最先端を取り入れてきており、現在ではiPodを聴くことができるiHomeを客室内に用意している。伝統とモダンを取り入れたひとつの例だ。ホテルは「Taking the time to be in timeless(時間を忘れる時間をとる)」というコンセプトの下、リラックスできるホテル滞在の提供を目指しており、こうした点でコンシェルジェなどをうまくご利用いただきたい。ゲストが快適に過ごすためのことを喜んでお手伝いするスタッフだ。