JALグ、第3四半期決算−営業収益増で「回復基調にある」も依然厳しく

  • 2007年2月7日
 JALグループは6日、平成19年3月期第3四半期(2006年4月1日〜12月31日)連結業績を公表、売上高3.9%増の1兆7341億5600万円、営業損益58億6100万円の赤字、経常損益77億2300万円の赤字、純損失が93億7500万円の赤字であった。期中を通じ、燃油価格が記録的な高水準で推移しており、燃油費だけで前年比363億円増となる3204億円となっているほか、国内線のビジネス旅客需要の回復遅れを中心に単価が想定を下回った。JLでは営業収益で増収となったことから「回復基調にある」と兆しがあるものの、依然として「厳しい」という認識だ。

 国際線旅客は路線のリストラ、機材のダウンサイジングで有効座席キロが前年比10.4%減。一方、ハワイ線、グアム線などが伸び悩んだものの、反日デモの反動で中国線、韓国線、東南アジア線がビジネス、観光旅客ともに好調で、有償旅客キロベースで前年比6.9%減となった。これにより、有効座席利用率は前年比2.7ポイント増の71.0%、燃油サーチャージの引き上げなどにより単価も11.7%増となり、収入が4.0%増の5492億円となった。

 国内線旅客は、個人旅客のうちビジネス需要が伸び悩み。一方、事前購入型運賃の宣伝による利用増が堅調のよう。団体旅客は前年の「愛・地球博」の反動減、運賃引き上げに伴う需要減、雪不足によるスキー需要の減少などで前年を下回った。この結果、有効座席キロ、有償旅客キロが共に1.0%増、単価は運賃値上げなどにより1.1%増、収入は前年比2.1%増の5148億9800万円となった。これにより、航空運送関連事業セグメントの売上高は277億円増の2770億円、営業利益は32億円増の83億円。なお、売上高拡大の要因は主に、海外の燃料調達関連会社の燃油仕入値の上昇で、販売額に反映し、収入、費用共に大幅に拡大したもの。

 旅行企画販売事業は、ジャルパックは中国方面、ヨーロッパ方面での取扱いを増やしたが、観光路線の減便でハワイ、ミクロネシア方面を中心に取扱いが減少、減収となった。ジャルツアーズは「愛・地球博」の反動の影響からの回復が見られたが、取扱人数は前年並みを確保。また、旅行代金単価の上昇で増収となったが、商品内容の充実、仕入れコスト上昇などで減収となった。旅行企画販売事業セグメントの売上高は前年334億円減の2890億円、営業利益が16億円減の0億円となった。

 なお、年度見通しは11月の修正見通し対比130億円減の2兆2680億円で、連結営業利益130億円、連結経常利益5億円、連結当期利益30億円の見通しは変更ない。