JTBワールドバケーションズの2006年度販売見込みは、前年比4.4％増の136万4000人で、下期商品発表時の上方修正通りとなる見通しとなった。JTBワールドバケーションズ（JTBW）代表取締役社長の伊藤正人氏は「景気回復による需要回復をうまく取り込めた。暦年と年度の差があるが、2006年の出国者数の伸び率を上回る」と評価。このうち、ハワイ、ヨーロッパ、アジア、中国は前年を上回ったが、減便の影響を受けたミクロネシアは0.8％減、さらに路線撤退の多かったアメリカは15％減、オーストラリアの景気拡大による原価インフレなど苦戦が続くオセアニアは2.7％減と、前年を下回った。一方、下期に完全回復宣言をした中国は、2004年を上回る8万1000人（62％増）と大幅に増加した。こうした追い風を受け、2007年は3.4％増となる141万人の販売を目指す。


▽市場拡大に向けて

　2007年は日本人出国者数が1780万人と予想される中、伊藤氏は「2000年が1781万人なので予想達成で回復、2000年を超えれば完全回復になる」と語る。ただし、「これは規模の回復に過ぎず、市場は質的変化を遂げた。この変化の中で営業展開を考えなければならない」という。例えば、2000年と2005年を比べると、従来の観光性の大デスティネーションであるアメリカやハワイ、ヨーロッパ（イタリア除く）は2桁減となっているが、ビジネス性の大デスティネーションは大幅に伸びている。特に中国は45％増で人数では120万人増だという。こうした状況から「観光性の大デスティネーションを伸ばすことに加え、ビジネス性のデスティネーションからも観光目的の旅行の拡大へ、急速に取り組まなければならない」と、課題を述べた。


▽2006年下期販売見込み　＜方面／人数／前年比＞　　　
ハワイ／27万人／0.4％増
ミクロネシア／24万8000人／0.8％減
アメリカ／8万5000人／15％減
ヨーロッパ／16万人／6.7％増
アジア／41万2000人／9.6％増
オセアニア／10万8000人／2.7％減
中国／8万1000人／62％増
合計／136万4000人／4.4％増


▽2007年年間販売目標　＜方面／人数／前年比＞　
ハワイ／27万1000人／0.4％増
ミクロネシア／25万人／0.8％増
アメリカ／7万7000人／9.4％減
ヨーロッパ／16万5000人／3.1％増
アジア／43万8000人／6.3％増
オセアニア／10万8000人／±0
中国／10万1000人／24.7％増
合計／141万人／3.4％増