プリンスホテル、経営改革は第2ステップに、2008年中の上場再申請を目指す

  • 2006年12月14日
 プリンスホテルの持株会社である西武ホールディングス社長の後藤高志氏は、2008年3月期の決算をもとに、2008年中の上場申請を目指す意向を明らかにした。今年9月の中間決算(連結)では、約270億円の営業利益、約180億円の経常利益を計上し、12月には1年ぶりに復配する予定など、順調に推移していることを強調。「会社法に基づく内部統制や整備強化、システムインフラの整備、営業強化など、再上場するにはさまざまな課題がある」としながらも、3、4年後の再上場へ意欲を見せる。

 再生の進捗状況については、今年3月の関係会社の再編によるハード面の改革と、新グループビジョンの策定によるソフト面の改革を「第1ステップ」とし、現在は「第2ステップに入っている」と説明。第2ステップでは(1)不採算事業の再構築、(2)CSの向上、(3)ブランド戦略での3つを掲げ、このうち(1)については既報の通り、12事業所の譲渡を決定。残る約28事業所についても「07年3月末までに実施する見通し」で進めていることを明らかにした。一方、バリューアップが見込める事業には今年は272億円、来年には182億円の設備投資を実施。既に富良野プリンスホテルは全面リニューアルを終了し、12月23日には苗場プリンスホテルに「日帰りスキーセンター」をオープンするなど、プリンスホテルとしては初めての全国的な設備投資を敢行する。(2)については今年9月、CS戦略室を立ち上げ、事業所ごとに実施していたお客の要望対応を全社で受ける体制を整えた。今後はこれらの施策とともに、2007年の団塊世代大量退職や国を挙げてのインバウンド誘致、戦後最大の景気拡大など外部の好環境を受け止め、企業価値の向上を図るとしている。