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成田、発着枠の捻出は限界、羽田・成田で首都圏の需要に対応するルールを

  • 2006年10月30日
 成田空港の冬スケジュールの発着回数が出揃い、滑走路の使用率が97.4%となったことについてNAAは「ほぼ使い切った状態」との考えを示した。現在の年間20万回の発着回数を22万回とすること以外に大きな方策は無く、国際線について羽田と成田の原則を踏まえた上での議論が早急に求められる。

 今回の冬スケジュールでは国内線や予備の発着枠を国際線の発着に流用し、実質的に国際線の枠を拡充。さらに1時間あたりの発着回数を増やすことで、「使い勝手の良い時間のスケジュールが組むことができ、増便となった」もの。ただし、こうした策をとって路線としては増加したが、滑走路の延長が完成予定となる2009年末まで大きな増枠は望めない。

 既に国交省では今後の空港のあり方について議論を始めているところ。また、先ごろの日中首脳会談に際して、羽田/上海・虹橋のチャーター便運航についてもトップ同士での合意ができ、状況にも変化がある。こうした動きも踏まえ、NAAでは国交省の各種の議論において首都圏の空港について容量が限界を迎えるものの成田の重要性を高めること、株式上場の時期に加え、株式公開しながらも公共性を担保する方策の検討、そして羽田との関係が重要となる。

 羽田では既にソウル・金浦空港との定期チャーター便が就航。一時期は成田/ソウル線について減便、旅客数の減少の影響もあった。現在では、東京とソウルという2つの主要都市を結ぶシャトル便としての位置づけもある。また、成田/ソウル間の旅客は、乗継客を含め、このところ安定している。こうしたことから、旅客動向に影響あるものの、羽田/虹橋についても「推移を見守る」とNAAは冷静。特に、首都圏の航空需要について、羽田と成田で協力する体制を取らないと、十分に対応できないこともあり、首都圏の増加する需要をまかなうルール作りが求められている。