関空、利用促進宣言に1189社が賛同、各社に対して関空利用優先を引き続き促す

  • 2006年6月19日
 先ごろ開催された関西国際空港利用促進本部の会合で関西経済連合会、および大阪商工会議所が関空利用運動の拡充について明らかにした。この中で、海外出張での関空利用、および国内出張についても可能な限り関空を利用する「関空利用促進宣言」について、当初目標とした1000社を超える1189社が賛同しており、引き続き拡大を図る方針を明らかにしている。
 さらに、利用促進に向けた具体策としては出張命令権限者、出張する本人、旅行手配会社に対して特別な場合を除き、関西発の海外出張については関空利用の優先を徹底してもらうよう働きかける。また、各企業での旅行規定の柔軟な運用などにより、出張時のファーストクラス、ビジネスクラスの利用を推奨してもらう。
 また、航空会社に対しては、海外の空港での乗り継ぎ利便の確保のためのサポート体制の充実や、関空発の乗り継ぎ利便をPRするほか、企業と航空会社のマッチングをするビジネストラベルマートの開催などにより、利用促進につなげる。


▽関空、ビジネス旅客は63.5%の利用、米路線は成田が上回る

 関西地区の企業568社に対し実施したビジネス旅客の需要についての調査において、海関空を利用する割合は63.5%となり、成田発の32.3%、名古屋発の4.2%は上回る結果となった。ただし、方面別では関空での路線が少ないアメリカ方面では、関空が46.0%、成田が51.7%となり、関空利用促進での課題を示した形だ。また、ヨーロッパ方面でも関空が56.2%、成田が41.1%とやや関空の利用が押さえられている。ただし、アジア、オセアニア、中国方面についてはそれぞれ、65.5%、68.3%、69.6%と成田に対して優位性を保っている。
 伊丹発成田経由の海外渡航をする理由については、「関空に便がない」の54.5%(24社)を筆頭に、「会社からの指定」、「関空便にファーストクラスがない」が4.5%(2社)となった。ただし、「関空便の機材が成田に劣る」という声について、関空副社長の平野忠邦氏は「日本航空(JL)が関空就航機材に、シェルフラットシートを導入したことで利用が伸びている」などの例を引き合いに、好評な側面も紹介。関空利用促進宣言の賛同などで2003年と2004年では成田空港、名古屋発と比べ伸び率も良いことから、引き続き宣言の賛同を促していく。