米の旅行促進キャンペーン、首都圏TVCMで集中展開、サイト、領事館通じ全国へ波及へ

  • 2006年5月26日
 アメリカ商務省旅行観光産業局課長代理のジュリー・ハイザー氏がこのほど来日、アメリカ連邦予算を投入して展開する日本での観光促進キャンペーンについて語った。日本でのキャンペーンはテレビCM、TSUTAYA(ツタヤ)での店頭・ウェブサイト・携帯、および三越銀座店での店頭プロモーション。テレビCMはワールドカップ終了後の7月中旬から下旬、これにツタヤでは6月下旬から8月上旬まで、三越は7月中旬と露出期間を集中し、効果的なプロモーションを目指すとともに、その後の継続的なプロモーションは民間の全米旅行産業協会(TIA)をサポートする。
 ハイザー氏はイギリスで展開したキャンペーンの効果として、1280万人がキャンペーンを認知、アメリカのイメージ向上につながると共に、2年以内にアメリカを旅行したいと思う人が200万人増加したという調査結果を紹介し、日本でも同様の効果が得られることに期待感を示した。

 キャンペーン展開での目標は旅行デスティネーションとしてのアメリカの認知度向上、アメリカのイメージ向上、アメリカへの旅行喚起の3つ。ハイザー氏は訪問者数の具体的な「数値目標はない」としたが、「アメリカへの旅行意欲の喚起、認知向上、イメージ向上の3つは切っても切れない関係」とし、今回のキャンペーンにより、旅行業界がアメリカ行き商品の造成を活発化し、それにより訪問者の増加につながる「種まき」の期間であることを強調した。

 今回のキャンペーンの大半は首都圏、特に東京で展開される。ハイザー氏はこれについて、アメリカ訪問者の多くが首都圏であることから「合理的」との考えを示すと共に、日本でのテレビCMの価格の高さなども地域を限定する要因であったことを明かした。ただし、ツタヤとのコラボレーションで、サイトでプロモーションを展開することを挙げ、日本全体への訴求に期待感は高い。
 また、在日アメリカ合衆国大使館商務参事官のパトリックO.サンティロ氏は日本国内にある札幌、名古屋、大阪、福岡、沖縄の各領事館においても、キャンペーンに関連し「何が出来るかを検討している」と紹介。キャンペーンと同時展開ではないものの、キャンペーンをアメリカへの旅行促進のきっかけとし、全国的なサポート体制を大使館としても取る姿勢を示した。

 なお、旅行会社による共同展開をにらみ、ロゴを設定、映画と関連する商品で希望すればロゴの使用が可能。問合せなどはアメリカ大使館商務部へ。


▽キャンペーン活動の3本柱
・テレビCM
 テレビCMはワールドカップ終了後に地上波、専門局で集中的に展開する。この時期にアメリカ大使館から、テレビ、ラジオに対してアメリカ関連の露出を増やす働きかけを行う。同時にテレビCMに連動した交通広告を展開、400枚のポスターを東京都内の地下鉄、JRの主要20駅で展開する。
 このうち、イメージ形成にあたり、重要となるテレビCMの内容だが、最終決定ではないものの、メイド・イン・マンハッタン、シカゴ、マイアミ・ブルース、オクラホマ、LAストーリー、ビバリーヒルズコップ2、アラモ、アラスカ、メラニーハイク、グランドキャニオン、ラスベガス万歳と11本の映画の一場面が流れ、最後に「アメリカ」の文字で訴求する。ポスターも最終調整の段階にあるが、イギリスではキングコング2とフォレスト・ガンプからトム・ハンクスの走るシーンが利用される。

・TSUTAYA
 ツタヤではサイト、携帯電話での情報発信と、旗艦店となる東京・六本木店頭でのキャンペーンを展開する。店舗ではハワイ、ニューヨーク、ニューオーリンズの3つのデスティネーションの文化、ライフスタイルなどをフィーチャーし、TIAの「See America」サイトとも連動。ウェブではアメリカ旅行があたるプロモーションサイトを用意し、800万人のツタヤ顧客データベースのうち、エンターテイメントに関心のある層へメールでサイトへの訪問を促すほか、六本木店の誘客に携帯電話を使う。

・三越
 三越では「オーシャンズ11」のラスベガス、「キングコング」のニューヨーク、「マイアミ・バス」のフロリダ、「モナリザ・スマイル」のマサチューセッツ、「ザ・エージェント」のアリゾナ、「サイドウェイ」のカリフォルニア、「めぐり逢えたら」のワシントンの映画ビジュアルを各階に展示、7階を催事場として映画、旅行情報を提供すると共に、三越トラベルが旅行商品を販売する。