GVB、今年の重点市場は団体・挙式・シニア、研修ツアーで高品質化をアピール

  • 2006年5月23日
(グアム:山田紀子) グアム政府観光局(GVB)は5月15日から5月19日まで、恒例の業界向け研修ツアー「ハファディ・スタディ・ツアー2006」を実施、北海道から九州の各地から97人が参加した。16日に開催したセミナーでは、GVB局長のジェラルド・S.A.ペレズ氏が挨拶に立ち、「グアムには100以上のオプショナルツアーがあり、旅行者にまたグアムに戻ってきたいと思われる要素がたくさんある」と、グアム観光の広がりをアピール。あわせて、グアムの観光地としての質の向上を図るため、昨年に数百万ドルを投資し、ホテルやショッピング施設の増改築やタモン地区の美化計画などの施策推進を説明するとともに、「タモン地区の発展はグアムの発展」として、今後も多額の投資を行う意向を示した。

 また、GVB日本代表の光森裕二氏はグアムのブランドイメージの再構築を図り、2008年の確立を目指すことを説明。そのため、接客サービスの質の向上を目的とした接客マナー研修やビーチの清掃作業、空港内美化とスムーズな入国審査体制の整備、タモン地区の路上でのビラ配り禁止の法制化など、グアムを一歩上へ押し上げるための活動を実施しているという。さらに、昨年の日本人観光客のうち、17%が50歳以上、46%が4泊以上の滞在客であることを引き合いに、シニア世代を対象にした高額商品のプロモーションの計画を紹介。例えば、グアム島内のホテルや食事、オプショナルツアーなどをオールインクルーシブで提供する「1人25万円、2人で50万円から60万円のツアー」を、旅行会社の協力を得て近々に発表する予定で、収益性の高い商品造成を訴えた。
 

▽シニア市場への取り組みを本格化、長期滞在も提案

 GVBは今年、重点市場として団体、ウエディング、シニアを掲げており、セミナーでも各市場に対する施策や展望を紹介した。

 このうち、シニア市場については今年から本格的な取り組みを開始する。GVBの日本マーケティング委員会(JMC)にシニア部門を設置し、団塊の世代向けのマーケットに対する研究を推進。「ここ数年整備されてきた」という、ジャングルでのネイチャートレッキングやビーチウォーキングなど、海以外の自然のほか、チャモロ文化、スペイン統治時代、アメリカ統治時代、太平洋戦争などの遺跡といった歴史・文化的要素など、「シニア世代に受け入れられる要素は十分ある」と強調。チャモロ文化などが色濃く残る首都ハガニアを、文化の発信地「オールド・ハガニア」として整備する「ハガニア復興再生プロジェクト」を計画しており、2008年4月末にはハガニア地区に、イベントセンターとしても利用できるグアム博物館をオープンさせる予定だ。
 
 このほか、日本人観光客がグアムを訪れ始めたのが35年前であることから、当時の観光客が「懐かしのグアム」として戻ることにも期待を寄せる。特に、ハネムーンとしての来島が多く、フルムーンやバウ・リニューアルの需要を見込む。既に、その世代の子供たちがグアム挙式をする際に、両親への感謝の気持ちとして、各ウエディング会社では一度挙式したカップルを対象にした再宣誓式「バウ・リニューアル」の場をプレゼントするカップルが増えているという。


▽普天間基地移転問題に質問も

 セミナーでは沖縄の普天間基地移転の影響による、治安面に対する質問が投げかけられた。GVBは今後の影響についてはまだ分からないとしながらも、グアムはアメリカであり、米兵が犯罪行為をした場合、アメリカの法律に準じて厳しく罰せられること、ミリタリー・ポリスの取締りが強化されることなど、沖縄とは法制上のベースが違うことを述べた。