国交省、中国団体観光旅行でルール運用を厳格化へ、中連協説明会で

  • 2005年7月19日
 中国訪日団体観光客受入旅行会社連絡協議会(中連協)はこのほど、中国全土にビザ発給対象が拡大されることに伴うセミナーを開催、国土交通省をはじめ、外務省、警察庁、法務省など関係省庁のほか、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)実施本部事務局の担当者らが概況を説明した。国交省総合政策局旅行振興課課長の志村格氏は「団体観光旅行が増えていく傾向にあり、望ましいこと」と語るが、同時に「失踪者を出さないように、また発生する割合、数ともに責任を負う」として、全土拡大に伴い、再度、旅行会社に対して訪日団体ビザの運用において協力を求めた。
 今回の全土拡大で改正されるのは、訪日団体観光旅行の取扱におけるペナルティ制度の一部。特定の取扱旅行会社が短期間に数度、失踪者を発生する事例もあり、これを防ぐ狙いだ。例えば、取扱停止期間終了日から3ヶ月以内に再度、ポイント数がマイナス5点に達すると6ヶ月間の停止、6ヶ月以内であれば3ヶ月停止、1年以内であれば2ヶ月の停止となる。
 これまでも失踪者が発生するたびにポイント制で減点する方式で、累計でマイナス5ポイントになると団体観光旅行の取扱が停止しており、既に累計で16社に適用。また、このルールについては、当初、繁忙期に取扱停止を延期するなどの配慮もあったが、徐々に運用を厳格にする。なお、現在までのところ、2000年9月から05年4月時点で訪日団体観光ビザでの来日者数は15万1827人、うち失踪者は473人で発生率は0.31%。このうち犯罪で検挙に至った件数は12件、うち殺人事件は1件。
 こうした対応の一方で、中国訪日団体観光客受入の日本側で希望する旅行会社の指定については8月1日から、常時受け付けることとなる。国交省などでは現在の団体観光旅行のビザ制度がうまく軌道に乗っていると見ており、経済界からの要望としても申請時期が現状のままでは不当な障害との考えもあり、移行することとなった。