成田、中部の影響薄く、韓国線は注視へ、旅客数10月単月で過去最高記録

  • 2004年11月26日
 成田国際空港代表取締役社長の黒野匡彦氏は26日の定例会見で、中部国際空港開港の影響について、旅客便は「大きな影響を受けない」と言及した。これは名古屋空港の国際線に上乗せ分が加わる運航路線が発表されている現状を受けた発言。貨物便についても、「現在の取扱量の成長を止める程ではない」と影響は軽微に留まる見込み。
 ただし、黒野氏は韓国線について羽田発の定期チャーター便が就航した影響もあり、成田発の旅客、発着数の伸びが留まっていることから、「羽田の存在は気になる」と語る。韓流ブームは羽田、成田を合わせると双方で旅客数が伸びていることから、「ブームが一段落したところで今後の経営にどのような影響を及ぼすか注視していく」考えも示した。全体の出国者数、発着枠などでは大きな差があることから、国際線全体は現段階で大きな影響にならない模様だ。
 なお、10月の航空旅客数は前年比8%増の275万4221人となり、10月単月で過去最高を記録した。国際線の日本人旅客においても前年比14%増の172万8123人と10月単月で過去最高となった。国際線旅客便の路線別発着回数は、オセアニア線が前年比21%増、98回増の556回と最も大きい増加率であったほか、中国線が前年比18%増、271回増の1798回を記録しており、黒野氏は「中国線は便数、旅客数ともに勢いがある」として、今後の更なる増加に期待を示した。