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JNTO、新理事長の中村氏、長期間で環境作りを地道に進めることが重要

  • 2004年4月1日
 国際観光振興機構(JNTO)の新理事長に就任した中村稔氏は1日の会見で抱負を述べ、「訪日旅客の増加に向けた成果主義を取り入れた運営を行う」とした。JNTOは1964年に設立したインバウンド旅行の専門機関で、昨年から独立法人化したいわば日本の観光局。中村氏は「ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)は政府の重要瀬策としてインバウンドを後押ししている。また、旅行、観光、運輸関係の方々の期待も高く、これに応えたい」と述べる。民間から初めて理事長に就任したことについては、「民間、団体とも組織的なマネジメントは同じ。異なるのは、民間では明示的な損益が指標、団体も同様に指標がある」として、現在の目標は2010年に1000万人の訪日外国人の達成に向けた活動を推進する方針だ。
 また、ツーリズムに対しても私見を披露。「ツーリズムは即効的な施策はない。確かに過去には、立派なハードを作り、効果的なアピールで集客を達成した事例もある。しかし、ツーリズム産業の基本はリピーター。このような方々を増やすためには住人が楽しむ、魅力を感じる場所を作らなければならない」と語り、「10年から20年の長期間に渡る視野で、(インバウンド旅行振興の)環境作りを地道に進める必要がある」とした。