近ツー、イラク・SARSでの販売高減は約550億円、純利は約10億円

  • 2004年2月26日
 近畿日本ツーリストの平成15年12月期(平成15年1月1日〜12月31日)連結での営業収益は10.3%減の1030億6500万円、営業利益は40.7%減の20億7400万円、経常利益は56.7%減の15億5900万円、当期純利益は58.6%減の10億1600万円であった。イラク、SARSなどによる影響は販売高で約550億円、収益で60億円の減少と近ツーは分析している。その中で、「まつりインハワイ」、「比叡山薪歌舞伎」、「カンボジア交流の翼」などイベント関連旅行の取扱いに加え、チャーター便を利用する商品で約1万9000名を集客するなど、販売の強化を図った。ただし、海外旅行ではハワイ方面を除く全方面で前年を下回る結果となった。
 単体での販売高は国内旅行が6.5%減の4281億1300万円、海外旅行が26.4%減の1653億9300万円、その他が35.1%減の26億3500万円となっている。営業収益は9.1%減の826億3200万円、経常利益は3.8%減の19億4400万円、当期純利益は18.9%減の5億1700万円である。

 今期はイベント・コンベンション・コングレス(ECC)を機軸とし、アテネオリンピック、静岡園芸博覧会などの大型イベントのほか、まつりインハワイ」の継続、「平成熊野詣」など自主企画を計画する。また、個人旅行事業部門への投資も積極的に行う方針。特にメイト、ホリデイのブランド力強化やチャーター利用の独自企画商品を展開する。
 これにより、平成16年12月期連結予想は営業収益955億円、経常利益で29億円、特別損益を加味しない当期純利益で17億円を見込む。単体での通期販売高は国内旅行で4.8%増の3726億円、海外旅行は30.9%増の1879億円、その他で35億円を予想。営業収益は760億円、経常利益は14億円、当期純利益は10億円。