フランス観光市場は富裕層とニッチ層を中心にPR展開、日本のニーズを汲み取りながら需要喚起を図る
フランス観光開発機構(アトゥー・フランス)は、このほど旅行業界向けワークショップ「SAKIDORI FRANCE(サキドリ・フランス)2026」を東京と大阪で開催し、旅行会社計207人が参加。現地出展社は31団体(大阪は14団体)で、両都市で商談を行った。当日、同機構日本・ASEAN代表のジャン=クリストフ・アラン氏は会見を行い、日本市場の現状について「依然厳しい」としたうえで、富裕層とニッチ層の二極化に言及。細分化する市場のニーズをくみ取りながら需要喚起を図っていくと語った。
中東情勢の動向を注視、市場は二極化
アラン氏はまず、日本市場は円安や中東情勢の影響も含めて、依然「非常に厳しい状況」との認識を示す一方で、今年のSAKIDORI FRANCEにフランスから31団体の出展があったことに対し「日本市場への期待が引き続き大きいことへの表れ」と見解を述べた。
日本市場動向については、2026年第1四半期は好調に推移していたが、第2四半期は中東情勢の悪化に伴い停滞。特にゴールデンウィーク以降は、中東の航空会社の欠航などにより、特にグループツアーの訪仏需要に影響が及んだという。下半期も引き続き国際情勢が大きく影響するだろうという見通しを示した。
また、市場は富裕層と、特定のテーマを追求するSIT(ニッチ層)の二極化が顕著になっているという。いずれもフランス文化に深い興味を持ち、ワインや美食、芸術など、新しい体験や興味のある専門分野に対する要求が高く、こうした層の消費額はフランス銀行の統計でも増加傾向にあるという。
日本市場のニーズをくみ取りプロモーション展開へ
こうした状況を踏まえ、同機構では今後特定のテーマを軸としたプロモーション展開を図る。これは旅行者の嗜好やニーズが細分化、ニッチ化している市場動向の変化に対応したもの。これまではグローバルなプロモーション展開を図ってきたが、「今後は市場を注視し、消費者の細かい興味やニーズをくみ取ることが重要になる」とアラン氏。
現在計画されているテーマは、Netflix「オフライン ラブ」やドラマ「神の雫」、劇場アニメ「パリに咲くエトワール」などの舞台巡り、モネ没後100年に関連する芸術の関連地など。アラン氏は「キャンペーンにつながる機会、テーマはフランス側からというよりは、むしろ日本の中から生まれてくる。それらをきちんと捉え、観光プロモーションにつなげていきたい」と話し、需要喚起を図っていく考えだ。
なお、この機会にフランス大使館で開催されたレセプションで、駐日フランス大使館のジェレミー・フォラ=ジェム公使がフランス市場の現状と日本市場の重要性に言及。公使によると、2025年のフランスを訪れた外国人観光客は1億人を超し、775億ユーロ(約14兆円)の観光収入を獲得したという。
2026年第1四半期の観光収入は前年同期比の約8%増の156億ユーロ(約3兆円)で「好調なスタート」。公使は「フランス観光業にとって日本は非常に重要で、日本の旅行会社は特別な存在」と強調し、来日したフランス各地からの出展者に「フランスの多様性と豊かさの現れ。日本との観光交流をさらに深め、新たな旅の創成を」と語った。

