AIと為替変動が旅行市場を変革、アジア太平洋でビジネス出張需要が拡大 MEI調査

 Mastercard Economics Institute(MEI)が発表した最新レポートによると、アジア太平洋地域でビジネス出張需要の伸びが顕著となっている。特にインドの主要都市が世界ランキング上位に入り、テクノロジーやAI産業への投資拡大が渡航需要を押し上げている。また、AIの普及や為替変動が旅行先選択や消費行動にも影響を与えていることが明らかとなった。

 調査レポートによれば、レジャー旅行と比較したビジネス出張需要の伸びが大きい都市ランキングでは、上位10都市のうち5都市をアジア太平洋地域が占めた。首位はアブダビで、インドのハイデラバードが3位、ベンガルールが4位、ニューデリーが6位、ムンバイが7位にランクインしたほか、ソウルも8位に入った。

 同レポートは、テクノロジーおよびAI産業の急速な成長が、アジア太平洋地域の新たなビジネスハブへの渡航需要を生み出していると分析する。特にインドでは、テクノロジー分野への投資拡大を背景に、ビジネス出張の存在感が高まっているという。

 一方で、AIは旅行計画だけでなく旅行先の選択にも影響を及ぼしている。調査では、AIプラットフォームの有料利用者は非利用者と比べて旅行関連支出が高く、比較的知名度の低い代替旅行先を選択する傾向も確認された。AIの活用が旅行者の選択肢を広げ、新たなデスティネーションへの需要創出につながる可能性が示された。

 また、為替変動も旅行需要を左右する重要な要素。過去30年の国際観光データ分析では、旅行先の通貨価値が10%下落した場合、海外旅行者数は平均2.4%増加する傾向が確認された。アジア太平洋地域ではマレーシアが特に影響を受けやすく、通貨リンギットが10%下落した場合、旅行者数は8%増加すると推計される。日本でも同条件で2.7%、台湾では3.3%の増加が見込まれている。