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星野リゾート、「星のや奈良監獄」開業は6月25日、重要文化財でのラグジュアリーステイを提案

  • 2026年1月20日
ロゴは砂時計のデザイン。100年の時を刻んた旧奈良監獄を再生し、もう一つの時間を刻む星のや奈良監獄をイメージした

 星野リゾートは1月20日、奈良県にある国の重要文化財「旧奈良監獄」を活用した「星のや奈良監獄」を6月25日に開業すると発表し、宿泊予約の受付を開始した。「星のや」としては6年ぶり、9軒目の開業となる。

 旧奈良監獄は1908年竣工の明治政府が計画した五大監獄の1つで、唯一現存する建物として2017年に国の重要文化財に指定されていた。法務省が所有しているが、老朽化により2019年に民間事業者を募って改修・運営する方針が決定。この際に施設の運営事業者となったのが星野リゾートで、ホテルとミュージアムの運営に向けて関係者と調整を進めてきた。

星野氏

 1月20日に開催されたオンライン記者会見で、星野リゾート代表の星野佳路氏は「日本の重要文化財を観光の経済力で維持・保存していくという新しい取り組み」と説明。「開業はゴールでなくスタート。これからも色々あると思うが、当初の目的を達成できるよう努力していきたい」と話した。

 また、星野リゾート国内企画開発プロジェクトマネジャーの石井芳明氏は、事業の参画を決めたことについて「重要文化財の運営に携わる機会はそうなく、二度とないチャンスだと考えた」と説明。そのうえで、観光の収益で文化財の保存に必要な費用を賄うスキームについて「大きなチャレンジだが、成功すれば今後のモデルケースになる」と語った。重要文化財であるがうえの改装などへの厳しい制約、多くの関係者との調整、広い専門性が求められる難易度の高いプロジェクトである一方、「価値のあるものを守るというミッション、事業の成功は、ホテル事業者である我々の未来を開く」との判断から参画を決断したという。

(左から)掛川氏、石井氏

 宿泊施設をラグジュアリーホテルの「星のや」にした理由については、星のや奈良監獄総支配人の掛川暢矢氏が「歴史的重要文化財の価値を十分に活かせるのが星のやブランドと考えた」と説明。「星のやとしてのラグジュアリーブランドをしっかりと重要文化財と掛け算していくことが大切」と語った。

 海外には監獄に泊まる「監獄ホテル」も存在するが、掛川氏は「重要文化財でありながら、充分な敷地面積を持ったうえ、贅沢な施設は限られていると思う。世界有数のラグジュアリーホテルにできるのではないか」と期待を示した。

旧奈良監獄の外観

 ターゲットは国内外の「コンセプトや独創的なテーマに共感してもらえる」旅行者。国内外の星野リゾートの他施設と同様に、3年を目安に「8割の安定した稼働率」をめざす。

 旧奈良監獄は、中央監視所を中心に5つの棟が放射状に接続された「ハヴィランド・システム」の監獄。全5棟の収容棟のうち4棟を星のやの客室やラウンジ、ダイニングなどに利用し、残りの1棟は日帰りで利用できる「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」とする。ミュージアムは先行して4月27日にオープンする予定だ。

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