日本旅行、グローバル人材活用事業を本格始動 観光・鉄道分野で労働力不足に対応

日本旅行は、観光産業や交通分野における深刻な人手不足の解消に向け、グローバル人材の受入れと支援を本格化させている。同社は有料職業紹介事業の認可を取得し、さらに海外鉄道技術協力協会(JARTS)への参画を通じて鉄道分野への展開を強化した。旅行会社として培った国際的ネットワークを生かし、地域産業の持続的発展を支援していく構えだ。
同社では、2025年1月に登録支援機関としての登録を行い、同年9月に有料職業紹介事業の認可を取得したことで、特定技能外国人や高度人材の紹介・支援が可能となった。
同事業は、旅行業で培った海外ネットワークを活かし、外国人材の受入れ支援を行うもの。すでに中央アジアや東南アジアの4カ国(キルギス、ウズベキスタン、インド、ベトナム)と人材交流協定を締結し、企業向けの採用セミナーや大学との連携によるインターン受入れ支援を進めている。2030年までに1000人規模の外国人材受入れを目標に掲げており、宿泊業や飲食業、交通関連業種などへの人材供給を通じて地域の雇用基盤を支える方針だ。
さらに同社は、海外鉄道技術協力協会(JARTS)が提供する「外国人材育成サービス」に登録支援機関会員として参画。JARTSは鉄道分野に関する調査・研究や人材育成を行う非営利団体で、日本旅行はこの枠組みを通じて鉄道分野の外国人材支援に取り組む。鉄道の運行や整備、駅務関連業務などで進む人手不足の解消を目的に、グローバル人材を活用した持続可能な人材活用モデルの構築を目指している。
日本旅行は今後も「顧客と地域のソリューション企業グループ」として、従来の旅行業の枠を超えた新たな価値の共創を通じて、地域の社会課題解決に貢献する構えだ。