【FAMレポート】日本向けキャンペーンも、企業パワー感じるワシントン州ベルビュー
将来に向けて、まだまだ開発が広がる
バスやライトレールなど公共交通で移動がしやすいベルビュー。ダウンタウンの「ベルビュー・トランジットセンター」は、バスとライトレール (電動路面電車)のハブとなっており、乗り換えもすこぶる便利。ライトレールは、2024年に北のレドモンドまで開通し、来年にはシアトルのダウンタウンまでを結ぶ予定だ。料金は19~64歳の通常料金で片道3ドル。自転車や荷物を納める場所もある。
もう一つ市内中心部の移動には、電気式自動車による無料配車シャトルサービス「ベルホップ」もある。配車アプリをダウンロードして送迎場所を入力して手配する。サービスエリア内ならどこへでも無料だ。テクノロジー系のオフィスビルが並ぶ新都市「スプリングディストリクト」へ視察と移転してきたベルビュー初のビール醸造所「ベルビュー・ブルーイング・カンパニー」に行くのに、行きはこの「ベルホップ」、戻りはライトレール(ダウンタウンから2駅)を使用した。
ダウンタウンに戻り、広大な「ベルビュー・コレクション」を探索。複合商業施設として、ローカルとグローバルブランドの両方で200を超えるショップ、50軒以上のレストラン、30軒以上のファストフードやカフェ、16スクリーンの映画館、21歳以上限定の座席予約制映画館もある。さらに総床面積15万6000㎡のオフィススペース、合計で1315客室になる3つのホテル(ザ・ウェスティン、W ベルビュー、ハイアットリージェンシー)に、360戸の高級レジデンスもあり、1万2500台分の無料駐車場を完備している。開発エリアは、現在も拡大して進行中だ。地元の家族経営の企業として、感謝祭からクリスマスイブまでの毎晩のパレードなど、地元のイベントにも力を入れている。
そんなエリアに昨年夏オープンした208室のラグジュアリーホテル「インターコンチネンタル・ベルビュー」を視察した。客室は、スタンダードなクラシックの約30㎡から約148㎡のプレジデンシャルスイートまで208室。320名収容のボールルームや多目的スペース、会議室もあり、MICEなどのビジネス用途にも応える。
同ホテルは、複合大規模プロジェクト「アベニュー・ベルビュー」の一部で、さらに住宅、商業スペース、そして歩行者専用道路がある。商業スペースの空きを利用して、「アート・オン・ザ・アベニュー」という地元、国内外、そして国際的アーティストのコンテンポラリーアートをキュレートした魅力的なギャラリーにしていた。
森と湖に囲まれたベルビューは、世界的な先進企業が数多く進出していることから、街全体が景気の良さに包まれている感じだ。シアトルからちょっと足を伸ばして、米国北西部で今もっとも華やかさをまとう街を訪れてみてはいかがだろう。
取材・文/小野アムスデン道子
取材協力/ベルビュー観光局(日本語サイト)