大韓航空がメディア向け説明会、27年アシアナ統合後のアライアンスはどうなる?日本路線拡大施策は?

大韓航空(KE)は4月25日、都内でメディア向けの説明会を開催した。KEは昨年12月にアシアナ航空(OZ)を子会社化しており、2027年をめどに2社は統合する予定。冒頭に登壇した日本地域本部本部長の李碩雨(イ・ソグ)氏はKEが41年ぶりにコーポレート・アイデンティティ(CI)を刷新したことを紹介し「CIは統合を象徴する意味が込められている」と説明。「これまでKEは絶対安全とお客様を満足させることの2つを重視してきた。2つの価値を強化し、より一層ダイナミックな未来へ飛躍していきたい」と意欲を語った。
KEはスカイチーム、OZは全日空(NH)と同じスターアライアンスに所属しており、合併後はスカイチームに一本化する予定。李氏はこの点について「今後日韓路線について、日本航空(JL)ともNHとも協力関係を作らないと運営が難しいと思う」と、2社との関係の重要性を強調。「JLとはアライアンスが違うがコードシェアをしている。NHとも協力関係ができる可能性は十分にあるし、作らなければならないと思う」との考えを述べた。
そのうえでNHとは先日仁川線を開設したばかりの神戸空港について、「チェックインなどはANAに頼んでいる。協力関係は今後できなければならないと個人的には思う」とコメント。「JLはアライアンスと違う会社と共同事業を実施しており、それもひとつのヒントでは」と話した。
また、同氏は合併後の機材についても言及。現在貨物機を含めるとKEが161機、OZが82機材保有しており、7月にはエアインチョン(KJ)への貨物事業の売却に伴いOZの貨物機材が減少。これにより2社計で約230機となるが、新機材の導入等もあるため「(合併後は)将来的には300機になるのでは」と話した。
▽日本路線の維持拡大に意欲、ただし課題も

KEは2025年夏ダイヤで21路線・週222便を運航しているところ。李氏は「現段階での2国間路線は顕著で予約状況からみると(相互訪問者数は)だいぶ増えるのでは」と現状を語った。そのうえで日本が掲げる2030年の訪日外客数6000人の目標に触れ「できる限り路線を維持・拡大し、少しでも貢献していきたい」と話した。加えて「為替が変わったことで外国に行く日本人は今後徐々に増えるだろう。仁川経由も増えていくのでは」と仁川経由の海外旅行の拡大に期待を示した。なお、KEは現在34か国106都市(※韓国内含む)に就航している。
ただし、李氏はコロナ以後地方空港を中心にグランドハンドリングにおける人手不足などの課題が挙がっていることについてもコメント。人手不足に加え、保安検査の時間が制限されることから就航できない時間帯があることや、混雑空港のスロット不足などを課題とし「その部分はネック」と話した。
さらに同氏は機材の大型化について「羽田は大型機材にしたい」と意欲を示した。その一方でコロナ後は世界的な潮流として、効率的な機材運用の観点から機材が小型化する傾向にあるとし「以前のように日韓路線に大型機材をたくさん入れることは難しい」とも話した。