訪日外国人の地方周遊を促進、JTBとJALが新プロジェクトを始動

  • 2025年3月25日

 JTBとJALは、訪日外国人の地方誘客を目的とした共創プロジェクトを開始する。都市部に集中する旅行者を地方へと誘導し、地域の活性化を図る取り組みであり、第一弾として大阪・関西万博の訪問者向けに、伊丹空港発着の地方路線を活用したツアーの販売を3月25日から開始した。

 2024年の訪日者数は過去最高の3687万人を記録した一方、東京や京都、大阪など一部都市への集中が進み、地域住民への影響や旅行者の満足度低下などオーバーツーリズムの問題が深刻化している。こうした状況を受け、JTBとJALは国内地方路線を活用し、多様な文化や観光資源に触れるツアーを企画することで、訪日客の地方分散を促進し、地域経済の活性化や雇用創出につなげる狙いだ。

 JALグループのJ-AIR、JACが運航する伊丹空港発着の路線を活用し、万博訪問者が関西圏の滞在とあわせて地方観光を楽しめるよう設計されたツアーを販売する。初回販売されるツアーには、世界自然遺産の奄美大島と鹿児島を巡る3日間のコース、山陰・瀬戸内を巡る3日間のコース、東北の歴史と文化を体験する3日間のコースが含まれる。いずれのツアーも地域の自然や伝統文化、郷土料理を深く体験できる内容で、全行程に英語ガイドが同行する。

 また、本プロジェクトではサステナビリティにも配慮し、「CO2ゼロ旅行®」の仕組みを導入。J-クレジット制度を活用し、旅行中に排出されるCO2を実質ゼロにする取り組みを進める。今後、対象エリアを拡大し、訪日外国人向けの地方周遊型ツアーをさらに充実させる予定だ。