JAL、持続的成長へ向けた戦略を発表 28年度EBIT2300億円を目指す
JALグループは、2021-2025年度の中期経営計画の最終年度を迎え、「ローリングプラン2025」を策定した。これまでの成長戦略を着実に遂行しつつ、2026年度以降の持続的成長に向けた方向性を明確にすることを目的としている。
JALグループはコロナ禍からの早期回復、財務基盤の再構築、事業構造改革を推進し、ESG戦略を最上位に据えた経営を行ってきた。2025年度の業績目標として、EBIT(利払い・税引前利益)2000億円の達成を掲げており、国際線の成長や国内線の収益性向上、マイル・ライフ・インフラ領域の拡大を通じて目標達成を図る。
2026年度以降は、気候変動や人材不足、物価上昇といった社会課題に対応しつつ、事業構造改革を深化させる方針だ。具体的には、国際線の拡大やLCC事業の成長、マイル・ライフ・インフラ事業の強化などを通じて、2028年度にはEBIT2300億円の達成を目指す。また、新たな事業領域として、社会課題を起点としたビジネス創出に積極的に取り組むことを明らかにした。
機材戦略においては、省燃費機材への更新を進め、2026年度にボーイング737-8、2028年度にA321neoを導入し、国内線の収益性向上を図る。一方で、国際線ではA350-900の導入を進めることで、運航効率の向上と環境負荷の低減を両立させる考えだ。
さらに、GX(グリーントランスフォーメーション)戦略の一環として、持続可能な航空燃料(SAF)の導入を拡大し、2050年までのCO2排出量実質ゼロを目指す。加えて、AIやデータ活用を軸としたDX戦略の推進、人財戦略を通じた多様な人材の活躍促進にも注力し、競争力の強化を図る。
JALグループは「世界で一番選ばれ、愛されるエアライングループ」を目指し、ローリングプラン2025の実行を通じて、持続的な成長と企業価値の向上を目指していく。