『美しく青きドナウ』、48年越しに宇宙へ ウィーン観光局が記念イベント

  • 2025年3月12日

 ウィーン観光局と欧州宇宙機関(ESA)は、5月31日に『美しく青きドナウ』を宇宙へ送信するイベント「ワルツ・イントゥ・スペース」を開催する。ヨハン・シュトラウス2世の生誕200周年を記念し、ウィーン交響楽団がオーストリア応用美術博物館(MAK)で演奏する楽曲をリアルタイムで信号化し、NASAの探査機ボイジャー1号に向けて光速で送信する計画だ。送信開始から約23時間後、音楽信号はボイジャー1号に到達し、その後も宇宙空間を飛び続ける。

 『美しく青きドナウ』は、映画『2001年宇宙の旅』で象徴的に使用されたことから、宇宙と深く結びついた楽曲として知られる。しかし、1977年にボイジャー探査機が「地球の音」を収録したゴールデンレコードを搭載した際、この楽曲は選ばれなかった。本イベントは、この歴史を48年ぶりに覆し、宇宙へ届ける試みとなる。

 イベントはウィーン市観光局のInstagramや特設サイトで生中継されるほか、ウィーンのシュトラントバー・ヘルマンやニューヨークのブライアントパークでもライブ上映される。また、事前に特設サイトで音符を選んで登録すると、名前と共に宇宙へ送信される「アンバサダー」として参加できる仕組みも用意されている。すでにウィーン市長や欧州宇宙機関事務局長らが参加を表明しており、多くの関心を集めている。