OTOA5年ぶり新年会、JATA髙橋会長「厳格な安全基準」で品質向上呼び掛け

45カ国の大使館関係者・政府観光局含め多くの参加者が集まった。

 日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は8日、5年ぶりとなる新年会を開催し、大畑貴彦会長らが新年の挨拶を行った。

 冒頭では、インバウンドを中心に「ようやく旅行需要の回復が見られた」と2024年を振り返った大畑氏。それに伴うオーバーツーリズムや人手不足への懸念を示したものの、楽観視せず引き続きの誘致促進を呼び掛けた。

 一方で、「インバウンドとアウトバウンド、両輪でのバランスの良い発展」を訴えた同氏は、双方向での異文化交流を活性化させることが重要とも述べ、今年は環境意識の高まりに伴い、より一層エコツーリズムや地域社会への貢献を重視する旅行者が増加し、これらに配慮したツアーの選択が進むのではと予測した。

 ツアーオペレーターを巡っては円安などの影響から現地費用が高騰するなか、OTOAとしては以前より旅行会社に対し「支払いの早期化」と「デポジット」を推進してきた。これについて大畑氏は、日本旅行業協会(JATA)の協力もあり「旅行会社各社とも、支払い早期化などの必要性について理解を示していただいている」と進捗を明かした。

JATA髙橋会長

 これに対し、続けて登壇したJATA髙橋会長は、JATA会員各社へ引き続き「契約に則った適正な支払いをしていただくよう啓発を行っていく」との姿勢を示し、「持続可能なビジネスモデルの構築を共に目指してまいりたい」と述べた。

 また、髙橋氏は昨年複数発生したツアーでのバス事故に触れ「信頼性の高いサービス提供事業者を選定することは我々の責務」と発信。コロナによる人手不足の状況から、以前に比べ経験の浅い従業員が増え安全へのリスクが高まっているとの懸念を示し、OTOA会員らに対しては「サービス提供事業者の安全基準に対する厳格な評価と、定期的な監査の実施などを強化していただいて、共により安心安全な旅行が提供できるようにしていきたい」と呼び掛けた。

 業界ではコンプライアンス問題も取り沙汰されるなか、髙橋氏は「(OTOAとは)コンプライアンスを大前提とした上で、Win-Winの関係性を更に強化し、旅行業界全体の品質向上を図ってまいりたい」と語った。